利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.26】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23TU0153

利用課題名 / Title

コンクリート3Dプリンタの材料設計に関する研究

利用した実施機関 / Support Institute

東北大学 / Tohoku Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

マイクロX線フォーカスCT,繊維補強セメント系複合材料,3D積層技術/ 3D lamination technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

西脇 智哉

所属名 / Affiliation

東北大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TU-313:マイクロX線CT


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

建設用コンクリート3Dプリンタ(以下、3DCP)で造形した積層体では、積層方法を由来とするコールドジョイント状の不連続層が内部に発生する事が知られている[1]。また、事前に鉄筋を型枠内に配置して、コンクリートを流し込み、締固め造形する従来の補強方法の適用は困難であり、適した補強方法の提案が必要とされている[2]。そこで、申請者らは積層可能な繊維補強セメント系複合材料(以下、FRCC)による補強[3]、積層体に対して補強材を挿入する事による補強[4]を提案した。ここでは、FRCCにより造形した積層体に対して補強材挿入を行った場合に内部に生じる空隙について、マイクロX線CTにより観察を行った。

実験 / Experimental

積層材料は既往の検討[3]で提案されたFRCC調合を使用して、3DCPにより積層体を造形した。図1に示す補強材自動挿入機構[5]によって、図2に示す円柱状補強材(φ = 5 mm、L = 60 mm、S45C)を積層体に挿入した。一部の補強材は図2に示すねじ式補強材(SUSXM7、全長90 mm、ねじ部60 mm)を図3に示すスクリュー式の機構により挿入した。図3のスクリュー式機構は挿入位置や補強材の装填など一部作業を手動で行う。円柱状補強材は補強材表面を図2の矢印方向にやすり掛けを行った補強材(以下、タテ・ヨコ)、やすり掛けを行っていない補強材(以下、無加工)を用意した。ねじ式補強材はねじの自重により挿入する形式(以下、ねじ(自重))、モーター駆動により挿入する形式(以下、ねじ(直動))の二形式により挿入を行った。作製した試験体から試験体(40 mm × 40 mm × 160 mm)を切り出し、マイクロX線CT(TY-313)により内部を観察した。撮影条件は電圧145 kV、電流57μAとした。

結果と考察 / Results and Discussion

撮影したX線CTデータを汎用画像処理ソフト(ImageJ)により再構成を行った。再構成した画像を図4に示す。円柱状補強材では約7.94°の傾斜が見られた。また、再構成した画像添加されているから空隙体積を計算した。文献5で実施した結果と比較して、巻込み空隙の体積が増加していることを確認した。積層材料をFRCCに変更したこと、FRCCに添加されている繊維量が多いことが原因として考えられる。円柱状補強材について、表面性状の差異は傾斜角度や空隙体積に大きく影響を与えないことを確認した。また、ねじ式補強材の場合円柱状補強材と比較して巻き込む空隙を抑えて補強材挿入を行う事が可能であった。補強材をスクリュー形式で挿入する事で繊維を巻き込みながら挿入する事が可能である点が原因として考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 補強材自動挿入機構



図2 補強材



図3 スクリュー式機構



図4 X線CT結果


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

[1] Timothy, W. et al.: Digital Concrete: A Review, Cement and Concrete Research, 123, 105780, 2019.9
[2] Mechtcherine, V. et al.: Integrating reinforcement in digital fabrication with concrete: A review and classification framework, Cement and Concrete Composites, 119, 103964, 2021.5
[3] 宮田賢優, 浅川智哉, 宮澤友基, 西脇智哉:建設用コンクリート3Dプリンタに適用可能な高強度繊維補強セメント系複合材料の開発と評価, コンクリート工学年次論文集, 44(1), 1558–1563, 2022.7[4] Asakawa, T. et al.: Fundamental Study on Automated Interlayer Reinforcing System with Metal Fiber Insertion for 3D Concrete Printer, Third RILEM International Conference on Concrete and Digital Fabrication, 411–416, 2022.6[5] 浅川智哉, 江川諒, 西條圭祐, 西脇智哉: 建設用コンクリート3Dプリンタに適用可能な自動補強材挿入機構の 開発及び評価, コンクリート工学年次論文集, 45, 2023.


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 小林紀行、浅川智哉、江川諒、西脇智哉:繊維補強セメント複合材料と補強材挿入システムを組み合わせた建設用コンクリート3Dプリンタの補強方法、コンクリート工学年次論文集(査読中)
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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