利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.17】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23TU0127

利用課題名 / Title

超伝導線材における人工ピンの形状・分布と通電特性の関係解明

利用した実施機関 / Support Institute

東北大学 / Tohoku Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

超伝導線材,電子顕微鏡/ Electronic microscope


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

岡田 達典

所属名 / Affiliation

東北大学 金属材料研究所(強磁場超伝導材料研究センター)

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

淡路智,羅珺怡

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

伊藤俊

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TU-504:超高分解能透過電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

電気抵抗ゼロで送電できる超伝導線材は、省エネルギー社会の実現に向けた重要技術の一つである。超伝導状態で通電可能な最大電流値(臨界電流)は、人工ピンと呼ばれる添加物によって大きく左右され、特に磁場中における臨界電流の角度依存性は人工ピンの形状が強く影響される。本研究では、希土類系銅酸化物線材(REBCO線材)を対象として、c軸方向に成長した柱状ピン添加層とランダム分布した球状ピン添加層の二層構造を成すことで、臨界電流の角度依存性の平坦化を試みた。

実験 / Experimental

前述の柱状ピン層/球状ピン層の二層構造を形成したREBCO線材に加え、柱状ピン層、球状ピン層のみから成るREBCO線材を共同研究先から提供してもらった。これらの試料に対し、強磁場超伝導材料研究センターにおける定常強磁場マグネットを用いた臨界電流測定と、分析電顕室の透過電子顕微鏡を用いた微細構造観察を行なった。

結果と考察 / Results and Discussion

臨界電流の角度依存性として、柱状ピン単一層試料ではc軸方向で極大、ab面方向で極少を示し、球状ピン単一層試料ではc軸方向で極少、ab面方向で極大となった。これらは柱状ピンや球状ピンが添加されたREBCO線材でみられる典型的な挙動である。一方、柱状ピン層/球状ピン層の二層構造を持つ試料ではc軸方向とab面方向にそれぞれ極大が現れ、各層による臨界電流値の平均値が得られたと考えられる。また、当初の目論見通り、臨界電流の角度依存性は、各単一層試料に比べて平坦化された。他方、これら試料に対する電子顕微鏡観察像には、柱状ピンや球状ピンと断定できる明確な構造が確認できなかった。当初想定した形状よりも微細なものになっている可能性もあり、今後より詳細な観測が必要である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

分析電顕室の伊藤俊氏に透過電子顕微鏡による観察で全面的にご協力頂きました。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Hoa Thi Dao, Marcel Meško, Ivan Veshchunov, Marat Gaifullin, Vladimir Vyatkin, Miyuki Nakamura, Tatsunori Okada, Satoshi Awaji, Akira Ibi, Teruo Izumi, Shinya Hasuo, Valery Petrykin and Sergey Lee, EUCAS2023, 2023年9月3日-7日, ジェノバ, 2-MO-RM-02S
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:1件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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