利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.31】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23TU0091

利用課題名 / Title

核融合炉用合金材料における微細構造解析

利用した実施機関 / Support Institute

東北大学 / Tohoku Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

構造用銅合金, Cu基酸化物分散型合金, その他金属粉末, 合金超伝導体,電子顕微鏡/ Electronic microscope,集束イオンビーム/ Focused ion beam


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

嶋田 雄介

所属名 / Affiliation

九州大学 大学院総合理工学研究院

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

竹中佳生,長迫実

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TU-504:超高分解能透過電子顕微鏡
TU-508:集束イオンビーム加工装置
TU-507:集束イオンビーム加工装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

核融合炉材料は特異な環境下での応用が想定されるため、求められる材料特性も高度なものとなる。我々がターゲットにしている酸化物分散強化銅合金(ODS-Cu)も、ヒートシンクとしての熱伝導性だけでなく、耐照射特性や高温強度が求められる構造部材として期待される材料である。本課題では、プロセス改善を実施したODS-Cuについて、各種電子顕微鏡を用いることで特に微細酸化物の分布に注目した構造解析を実施する。

実験 / Experimental

Cu合金試料は申請者のグループにて作製する。作製方法としては原料(Cu、Y、O)をメカニカルアロイングにより混合して作製した合金粉末を、高圧高温焼結によりバルク形状とする。
それらCu合金について、FIBを用いた薄片試料の作製ならびにSEM、TEMによる微細構造観察を実施する。FIB加工は代行にて依頼し、SEM、TEM観察は申請者が遂行する。
TEM観察では、電子回折やC-TEM、STEMさらにはEDSなどの分析法による酸化物の分散状態、構造の解析を実施する。

結果と考察 / Results and Discussion

プロセス改善のなかで、原料に熱酸化被膜させた純Cu粉末を使用したバルクにおいて高い延性が得られた。本試料について、SEM観察を実施したところ、粒径が二極化しながらも従来合金よりもその分布が均一となっていたことがわかった。さらに、TEM観察では酸化物(Y2O3)が、粗大なCu粒子内部にも分散しており、そのサイズも数nmから10数nmと微細であることがわかった。これら微細酸化物は線状に分布しており、これは組織形成過程において、亜粒界上に酸化物が析出したのちにCuが粒成長した結果、残留したものと予想された。一方でこれまで脆化の要因となっていた粒界上の粗大酸化物の減少がみられ、これらが機械特性の向上に寄与したものを考えられた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

謝辞:
TEMについては長迫様のメンテナンスのおかげで不具合なく使用することができた。
FIBは竹中様に薄片試料加工を実施していただいた。
データ解釈(論文執筆)において今野先生に多くの助言をいただいた。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Yusuke Shimada, Microstructure and mechanical property of Y2O3-based ODS-Cu alloy fabricated by MA-HIP with novel elemental addition process, Materials Chemistry and Physics, 307, 128223(2023).
    DOI: https://doi.org/10.1016/j.matchemphys.2023.128223
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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