【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.16】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22MS1074
利用課題名 / Title
バリウム黒鉛層間化合物の磁化率
利用した実施機関 / Support Institute
自然科学研究機構 分子科学研究所 / IMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions
キーワード / Keywords
超伝導、軌道磁化率
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
平郡 諭
所属名 / Affiliation
大阪工業大学工学部環境工学科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
岡阪 友希,橋本 泰利
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
藤原 基靖,宮島 瑞樹,伊木 志成子
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
MS-210:オペランド多目的X線回析
MS-218:SQUID(MPMS-7)
MS-219:SQUID(MPMS-XL7)
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
人口金属としてよく知られた黒鉛層間化合物(Graphite intercalation compound, GIC)であるが超伝導発現機構に関する議論は未だ十分ではない。本研究課題ではGICにおける超伝導転移温度TCを決める要因をGICの常伝導状態に着目し電気輸送特性、及び磁化率から明らかにすることを目的とする。
実験 / Experimental
試料は幣研究室にて合成・調整し、X線キャピラリあるいは測定用石英セルに封入した状態で持参した。試料のステージ構造の同定を目的に多目的X線回析装置Panalytical Empyreanを利用した。試料の磁化率の温度依存性を明らかにするためにSQUID型磁化測定装置MPMSを使用した。
結果と考察 / Results and Discussion
試料は嫌気性を示すため申請者の実験室にてキャピラリに封入した状態で持参しそのままX線回折実験を行った。多目的X線回析装置Panalytical
Empyreanを集光ビームに設定いただき、研究室の卓上X線回折装置では測定できない精度でX線回折プロファイルが得られた。
これまでに常伝導状態でのGICの磁化率に関する報告例は極めて少ない。1stステージのアルカリ金属黒鉛層間化合物の磁化率では軌道磁化率が常磁性を示し、温度に依存しない正の磁化率が現れることが報告されている。一方今回我々が測定した1stステージのバリウム黒鉛層間化合物の磁化は温度に依存する負の値であった(図)。得られたgraphite likeな振る舞いは試料の本質的な性質を示しておらず、石英セルに封入後試料が分解していたと考えている。より順良な試料を合成し石英セルを工夫することで本質的な振る舞いを今後明らかにしたい。次年度も課題を申請したいと考えている。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図 今回測定した試料の磁化の温度依存性
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
このたびご支援いただいた藤原基靖先生, 宮島瑞樹先生, 伊木志成子先生には訪所前から実験条件に関して詳細な打ち合わせを通して丁寧にご指導いただいた。訪所後すぐに実験を開始できトラブルなく実験を遂行できたのは先生方のご支援なくしてはあり得ませんでした。心よりお礼申し上げます。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件