【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.28】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23TU0079
利用課題名 / Title
2次元フォトニック結晶の可視光制御~Siナノ粒子アレイのBICモードを利用した屈折率センシング
利用した実施機関 / Support Institute
東北大学 / Tohoku Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion
キーワード / Keywords
太陽電池/ Solar cell,フォトニクスデバイス/ Nanophotonics device,メタマテリアル/ Metamaterial,CVD
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
村井 俊介
所属名 / Affiliation
京都大学大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
この研究では、quasi-bound states in the continuum (Q-BICs) に基づいたバルク屈折率センサーを開発しました。格子点上に周期的に配置された単一サイズシリコン粒子のアレイ構造の、粒子サイズと位置をずらすことでメタ表面の対称性を低下させ、複数のQ-BICを励起しました。周囲の屈折率の変化に応じたQ-BIC共鳴のスペクトルシフトを測定することにより、 それぞれのセンシング特性を調査しました。さらに、シミュレーションを援用して、それらの屈折率感知範囲も明らかにしました。Q-BIC共鳴はその起源に応じて異なる屈折率依存性を示し、これは近接場の分析を通じて説明できます。この研究は、高感度で選択的なBICを利用した屈折率センサーの開発に貢献します。
実験 / Experimental
シリコンメタ表面 (図 1) は、SiO2 基板上のシリコン円筒形ナノディスク二量体の対称性が崩れた正方格子で構成されています。 設計されたメタ表面を作製するために、まず、技術代行にて東北大学試作コインランドリのLPCVDにより厚さ 90 nm の多結晶 Si を成膜しました。次に、得られた薄膜に自機関にてレジストをキャストし、電子ビームリソグラフィーに露光し、現像後ボッシュプロセスでエッチングすることで目的のメタ表面を得ました。
メタ表面の光学特性を評価するために、角度依存の消光測定が実行され、シミュレーションと比較されました。メタ表面の屈折率センシング能力を実証するために、バルク屈折率 (RI) 測定が実行されました。 RI に適合するオイル (n=[1.4, 1.41, 1.42, 1.436, 1.47, 1.48, 1.50, 1.53, 1.55, 1.60]) を使用して周囲の媒体の RI を変化させ、TE偏光白色光の垂直入射下で吸光スペクトルを測定しました。スペクトルは、分光計 (Andor iDus DU420A) に接続された共焦点顕微鏡を使用して測定しました。
結果と考察 / Results and Discussion
図2a、bはそれぞれ短波長と長波長のQ-BICのスペクトルを示しており、周囲の媒質のRIの増加により両方のモードの共振波長が赤方偏移することが示されています。 短波長のQ-BIC は、基板の RI (nSiO2 ≈ 1.48) から逸脱するマッチング オイルの屈折率に対して、より弱い減衰を示します。短波長のQ-BIC では外層のエネルギー割合が 35% であるのに対し、長波長のQ-BICでは 10% の割合が得られます。これもモードの異なる性質を示しており、これが明らかに反映されています。 対照的に、図2bに示す長波長の共鳴は、RIの変化に対して非常にロバストな挙動を示し、平均半値全幅はFWHM = 2.15 ± 0.3 nmです。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1:作製したSiメタ表面のSEM像
図2:(a)短波長側、(b)長波長側Q-BIC共鳴スペクトルの周辺屈折率依存性
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- Refractive index sensing using quasi-bound states in the continuum in silicon metasurfaces, TOM VAN LOON, MINPENG LIANG, THOMAS DELPLACE, BJORN MAES, SHUNSUKE MURAI, PETER ZIJLSTRA AND JAIME GÓMEZ RIVAS, Optics Express, accepted
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件