利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.01】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23TU0066

利用課題名 / Title

Co基超常磁性グラニュラー薄膜の組織・構造学的評価

利用した実施機関 / Support Institute

東北大学 / Tohoku Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials

キーワード / Keywords

Co薄膜, 超常磁性,集束イオンビーム/ Focused ion beam


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

齋藤 嘉一

所属名 / Affiliation

秋田大学大学院 理工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

竹中佳生

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TU-507:集束イオンビーム加工装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

絶縁体マトリクス中にナノサイズの強磁性金属微粒子を均一に分散させたグラニュラー薄膜において超常磁性が発現することが知られている。超常磁性材料は通常の強磁性材料とは異なり、磁化しやすい方向が無く(磁気異方性が無い)、磁界印加がゼロになれば磁化値もゼロになる(ヒステリシスが無い)などの特性を有することから、新機能を有する光磁気デバイス開発への応用が期待されている。本研究では、反応性パルスDCスパッタリング法を利用して作製したCo-Al2O3から成るグラニュラー薄膜に注目し、電子顕微鏡法を駆使して組織・構造学的評価を行い、実用に適う優れた超常磁性を発現させるための材料設計指針を得ることを目的とした。

実験 / Experimental

超高真空スパッタリング装置を用いて、清浄な熱酸化膜付きSi基板上に、CoターゲットをDC電源(40~120W)で、Al2O3ターゲットをRF電源(114W,200W)で、同時にスパッタリングを行うことで、Co-Al2O3薄膜を作製した。作製した試料の磁気特性について、振動試料型磁力計(VSM)による磁化曲線の測定を行った。膜質の組織・構造学的評価については、X線回折法ならびに電子顕微鏡(SEM/EDS: JSM-7800F; TEM/STEM: JEM-2100F)によって行った。TEM試料の作製については、集束イオンビーム装置(FIB ;Quanta 3D 200i Dual Beam, Thermo Fisher Scientific)を用いたリフトアウト法により、薄膜と基板から成るバルク材からCo-Al2O3グラニュラー薄膜を含む一部分を摘出して超薄片試片を得た。

結果と考察 / Results and Discussion

図1にFIBにより作製したTEM観察用試片のSEM像を示す。Co-Al2O3グラニュラー薄膜のSEM/TEM観察により、アルミナマトリクス中に等方的な形状を有する粒状体(平均サイズ5~10 nm;体積率~20%)の集合組織が認められた。また、膜中のCo粒子は等方的な形(球状)を呈し、均一に分散している様子が確認された。特に、スパッタ出力120Wで作製した薄膜では、Co微粒子が集団化・融合して粗大化している様子が伺えた。今回の得られた見解としては、Al2O3担持体中に,平均粒径5~10 nm,体積率~20%のCo粒子を均一分散させた薄膜を作製すると、その材料には超常磁性が具備されることが示唆された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1  FIBにより作製したTEM観察用試片のSEM像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

超常磁性薄膜の特性向上を追究するにあたり、本研究で実施したような組織・構造学的評価はプロセスの最適化において必須の作業である。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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