利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.31】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23TU0033

利用課題名 / Title

新規表面改質鋼の構造解析

利用した実施機関 / Support Institute

東北大学 / Tohoku Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

渦流探傷法, 非破壊検査, 構造用鋼,集束イオンビーム/ Focused ion beam,異種材料接着・接合技術/ Dissimilar material adhesion/bonding technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

宮本 優

所属名 / Affiliation

株式会社タカコ 滋賀工場 設備工法部

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

正橋直哉,別島桂太,石崎義公

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

兒玉裕美子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TU-508:集束イオンビーム加工装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

CuとFeは相互の原子を固溶する量が小さく相互拡散係数が低いために、固相反応が起こりにくい。一方、加工性や摺動性能に優れるCuと強度に優れる鋼材を複合化することで、機械構造用部品の摺動材料として実用化されており、こうした複合材料への産業ニーズは高い。従来は圧着などの機械接合でCuとFeのバイメタルを創製していたが、接合強度が低いために高負荷のかかる環境下での使用に限界があり、新たな接合方法の開発が期待されている。これまでの研究から、SPSによる接合界面での高エネルギー環境下では、局所的に固相反応が助長され、Cu合金中のAlとSiがFe側に拡散し、γ ループを切ることで冷却時にfccからbccに相変態が誘起され、核生成が起こる結果、界面を挟んで新粒組織を形成することを明らかにしている。そこで、本研究ではそのようにして接合した界面近傍の銅合金側の界面平行部と界面をまたがっての界面垂直部の組織を明らかにすることで、前述の組織形成機構の妥当性の検証を目的とする。

実験 / Experimental

AlとSiを含有するCu合金(20 mm Φ×厚さ1.3 mm)と、耐熱鋼(20 mm Φ×厚さ20 mm)の接合面に機械研磨を施し、真空雰囲気にて、900℃でSPS固相接合を行った。条件は、加圧力20 MPa、接合時間30分とし、650℃に冷却後に通電を切った。接合体は圧力印加方向に平行に切りだし、接合界面近傍の銅合金側の界面平行部(P方向)と界面をまたがっての界面垂直部(L方向)をFIBでサンプリングし、その断面組織とEDX組成分析を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

L方向材では鋼材から銅合金側に組織の成長が認められ、Feが銅合金側で島状に分布しているのに対し、P方向材では銅合金側に粒状のFe過剰相が分布していることが判る。P方向材では界面近傍で反応層を形成しているため、初期接合界面を同定することはかなわないが、別途行ったタングステンワイヤーを接合界面に挿入した接合材の解析から、初期界面は反応層の鋼材側にあることが判っている。即ち、接合界面を挟んだ新たな組織形成が確認でき、高い接合強度をもたらしたと考察できる。この組織形成は鋼材側でのSiやAl等のオーステナイト安定化元素が銅合金側に拡散することでγループ境界をまたがり、α相を形成したためと考察する。以上から本実験はこのモデルを実証したと結論した。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1. L方向(上段)とP方向(下段)の組織とFeとCuのマッピング像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:1件

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