【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.26】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23TU0029
利用課題名 / Title
低損失MZI(Mach-Zehnder Interferometer)の作製検討
利用した実施機関 / Support Institute
東北大学 / Tohoku Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
光導波路/ Optical waveguide,フォトニクスデバイス/ Nanophotonics device,光デバイス/ Optical Device,電子線リソグラフィ/ EB lithography,膜加工・エッチング/ Film processing/etching
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
杉田 丈也
所属名 / Affiliation
京セラ株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
泉二玲緒奈,杉田丈也,上村紘崇,前田暖
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
TU-206:アルバックICP-RIE#2
TU-255:ディスコ ダイサ
TU-202:DeepRIE装置#2
TU-064:エリオニクス 130kV EB描画装置
TU-154:住友精密TEOS PECVD
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
光導波路単線(以下、リファレンス導波路)に対して低損失なMZI(Mach-Zehnder Interferometer)の作製検討のため、東北大学の設備を利用してデバイスの要素検討を行った。
実験 / Experimental
SOI(Si On Insulator)基板上にエリオニクス 130kV EB描画装置(TU-064)を用いてレジストマスクを作製し、アルバックDeepRIE装置#2(TU-202)でSiをエッチングし光導波路を作製した。次いで、住友精密TEOS PECVD(TU-154)を用いて酸化膜を成膜した。最後に、ディスコダイサ(TU-255)を用いてSi光導波路端面を露出させた。
結果と考察 / Results and Discussion
まず、MZIの要素の一つである、MMI(Multi Mode Interferometer)について試作検討を行った。MMIとは高次モードの発生により、光の合分波を行う素子であり、例えば1×2のMMIは図1のような構造をとる。
図1:1×2MMIの代表図。横幅を22umとして、縦幅を実験要因として採用した。また、各導波路の接続部分の幅は1.5umとし、光の分岐する導波路の間隔は1.5umとした。
実験では縦幅の水準は6um~7umの7点を作製した。図2に実験結果とBPMによるシミュレーヨン結果を示している。縦軸はMMI一つの損失を示しており、横軸はMMIの縦幅の値を示している。
実験結果はおおむねシミュレーション結果の傾向と一致していると推察される。しかし、確認のためには、より縦幅の値を広くとった試験を追加で行う必要がある。
図2:赤がBPMによるMMI一つの損失の結果で、青が実験値を示している。測定波長は1505nm~1620nmで、1550nmの値を使用している。
次いで、MZIを作製、評価した。MZIとは図3に示すように入射光から分けた2つの光路の位相差によって干渉を引き起こす素子である。MMIには、上記で作製したMMIの中で一番損失が小さい値のもの(width=6um)を使用した。
図3:MZIの代表図。紙面左から入射した光は、MMI1にて分波し、各アームを通り、MMI2にて合波する。下側アームの光路長はL、上側のアーム長をL+ΔLと設定することで、光路長差ΔL分の干渉を起こす。
図4には、ΔL=30umとしたMZIの測定結果とリファレンス導波路の結果を示している。縦軸は光強度を示しており、横軸は測定波長を示している。赤で示しているMZIのスペクトルが、1514nm、1539nm、1566nm、1594nmにおいて極大値を取っており、その極大値において、青で示しているリファレンス導波路のスペクトルにおおむね接していることがわかる。これはリファレンス導波路に対して十分に低損失なMZIが作製できたことを示唆している。
図4:黒が測定に用いたファイバー同士、青がリファレンス導波路、赤がMZIの光強度をそれぞれ表している。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1
図2
図3
図4
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件