利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.25】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23KT1196

利用課題名 / Title

二硫化モリブデンなどの原子層薄膜デバイスの作製

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

二硫化モリブデン,電子線蒸着,段差計,エレクトロデバイス/ Electronic device,蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

藤元 章

所属名 / Affiliation

大阪工業大学 工学部一般教育科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

赤松孝義

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-203:電子線蒸着装置
KT-111:ウエハスピン洗浄装置
KT-332:触針式段差計(CR)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

近年の半導体産業における微細化限界に伴い,従来の材料のシリコンに代わる新たな材料として2次元材料が注目されている。代表的な2次元材料としてグラフェンが挙げられるが,グラフェンはエネルギーバンドギャップが0であり,電界効果トランジスタのオン/オフ比を得ることが難しい。そこで我々は2次元材料の1つでありエネルギーバンドギャップを持つ二硫化モリブデン(MoS2)に着目した。しかし,MoS2は電気抵抗が高く電流をほとんど流さない。本研究では先行研究によるMoS2のドーピング法[1]を参考に,低抵抗化を図った。

実験 / Experimental

電子線蒸着装置を用いてSi基板上にモリブデン(Mo)を蒸着した後、加熱処理装置を用いてMoを硫化することでMoS2薄膜を作製した。ラマン分光法によりMoS2の成長確認とMoS2試料の層数判別を行った。さらに,作製した試料に対して有機材料を用いた表面電子ドーピングを行い、van der Pauw法による電気抵抗測定を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

有機材料であるベンジルバイオロゲンを用いたドーピング前とドーピング後の試料のラマンスペクトルとドーピング後の電気抵抗測定の結果をそれぞれ図1と図2に示す。図1より,385 cm-1付近にE12gモードによるピーク波数と408 cm-1付近にA1gモードによるピーク波数が大きく変化せず,ドーピン後試料状態が変化しないことが確認された。図2よりドーピングによって抵抗が減少することが確認された。今後,ドーピングによる不純物濃度を上げることで,更なる抵抗値の減少とオーミック接触による線形的な結果が得られることが期待される。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 ラマンスペクトル



図2 電気抵抗測定


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献[1] D. Kiriya et al., Air-Stable Surface Charge Transfer Doping of MoS2 by Benzyl Viologen, J. Am. Chem. Soc,136,7853-7856(2014).


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る