【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.25】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23KT1153
利用課題名 / Title
ドライエッチングによる微細モールド作製技術の開発
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
ナノインプリント,電子顕微鏡/ Electronic microscope,蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,電子線リソグラフィ/ EB lithography,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,3D積層技術/ 3D lamination technology
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
新関 嵩
所属名 / Affiliation
Bush Clover株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
廣谷務
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
諫早伸明
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
KT-115:大面積超高速電子ビーム描画装置
KT-116:近接効果補正システム
KT-203:電子線蒸着装置
KT-234:深堀りドライエッチング装置(1)
KT-301:超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
ワイヤーグリッド偏光子などの製造で用いられるようなナノインプリントモールドは、線幅50nm程度の非常に微細な構造が必要とされることがある。本研究では、電子ビームリソグラフィやドライエッチングの技術を組み合わせて、100nmを切るような微細なSiモールドを作製するためのプロセス技術を確立することを目的とする。
実験 / Experimental
電子線レジストAR-P6200.18をアニソールにて6倍に希釈し、Si基板上に2500rpmで塗布した。その際の膜厚は80nmであった。大面積超高速電子ビーム描画装置にて露光を行った。描画時のBase Area Doseは、170μC/cm²である。描画時には、近接効果補正システムであるBEAMERを用い、近接効果補正およびCPの割当を行っている。露光後、現像を行った。現像液は、ZED-N60で、液温は22℃、現像時間は15secである。現像後、IPAにてリンスを行い、窒素ブローにて乾燥させた。現像後、電子線蒸着装置にて、Crのハードマスクを形成した。Crの膜厚は5nm狙いで、3Å/secの条件にて成膜を実施した。エリプソメーターで測定した膜厚は6.3nmであった。成膜後、リムーバーST120を60℃に加温したものを用いて、リフトオフを実施した。リフトオフ時間は5分である。リフトオフ後、純水で洗浄した。作製したCrハードマスクを用いて、Siのドライエッチングを実施した。ノンボッシュのレシピおよびLow scallopのボッシュレシピをベースにドライエッチングを実施している。ノンボッシュプロセスの加工時間は60秒、Low scallopボッシュレシピは20cycleで加工を実施した。エッチングの結果を、超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡にて断面観察を実施した。
結果と考察 / Results and Discussion
まず、ノンボッシュのドライエッチングのドライエッチングを実施した。このときのSEM写真を図1に示す。写真からわかるように、Crのハードマスクの下に大きなアンダーカット構造ができ、Crのハードマスクが剥がれ落ちてしまっている。プロセス上、アンダーカットが入ることは避けられないため、このプロセスにてレシピを最適化することは諦め、Low scallopのボッシュプロセスをベースに条件出しを行うことにした。
Low Scallopのボッシュプロセスでのエッチング結果を図2に示す。保護膜形成時のBiasの出力をそれぞれ343Wと450Wにしたもので実験を行った。Biasの出力が343Wのときは、若干のアンダーカット構造が見て取れ、ナノインプリントのモールドとしては不適なものの、450WまでBiasの出力をあげることで、緩やかな順テーパー構造が作製できることが確認できた。こちらの条件であれば、ナノインプリントモールドとして使用できるものと考えられる。
今後は、このレシピを使ってSiモールドを作製し、ナノインプリントの実験を実施する予定である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図 1 ノンボッシュレシピでのエッチング結果
図 2 Low scallopボッシュレシピでのエッチング結果
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件