利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.25】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23KT1090

利用課題名 / Title

MEMS センサの開発

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

限界電流式,酸素センサ,小型,リニアリティ,センサ/ Sensor,リソグラフィ/ Lithography,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,ダイシング/ Dicing,異種材料接着・接合技術/ Dissimilar material adhesion/bonding technology,3D積層技術/ 3D lamination technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

照元 幸次

所属名 / Affiliation

ローム株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

赤坂俊輔

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-119:両面マスク露光&ボンドアライメント装置
KT-234:深堀りドライエッチング装置(1)
KT-218:レーザダイシング装置
KT-221:紫外線照射装置
KT-222:エキスパンド装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

高温高湿な過酷な環境においても信頼性の高いバルク YSZ ベースの限界電流式酸素センサは、車載や産業機器、半導体プロセス装置から医療など様々な場面で利用されている。しかし、バルク YSZ を含むセンサ全体を 500℃以上に加熱して使用するため、高温物体による危険性や加熱のための数ワットの消費電力が原因となり、ポータブル機器や環境モニタリングなどの分野への利用は広がっていない。今回、MEMS 技術を応用して、広範囲の酸素濃度範囲で線形性を保つ小型酸素センサの開発を実施した。

実験 / Experimental

マイクロヒーター上に薄膜 YSZ ベースの限界電流式酸素センサを作製し、酸素センサ特性を評価した。酸素ガスをYSZ に導入するためのガス拡散層としては、斜め回転蒸着法により成膜した隙間が 30nm の螺旋構造をした Ta2O5 薄膜を用いた。今回用いた酸素センサの特性評価システムを図 1 に示す。酸素濃度は 0.4~94%の範囲で変化させた。全ての動作は EXCEL VBA で自動制御されている。

結果と考察 / Results and Discussion

図 2(a)に電流電圧特性の酸素濃度依存性を示す。電圧が変化しても電流が増加しない限界電流領域が確認で きる。酸素濃度の増加と共に限界電流値も増加している。図 2(b)は V=1.8 V における限界電流値の酸素濃度依存性である。従来のバルク酸素センサでは限界電流値は酸素濃度と対数比例であるのに対し、酸素濃度0.4~94%の広範囲でリニアリティが確認された。酸素ガスの拡散メカニズムがクヌーセン拡散の場合に、酸素濃度と限界電流値が比例することが理論的に知られている。今回、ガス拡散層をナノメートルオーダーの微細な Ta2O5 螺旋構造薄膜にしたことで、ガス拡散メカニズムが粒子性のクヌーセン拡散が支配的になったと考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図 1. 酸素センサ特性評価システム



図 2(a). 小型酸素センサの電流電圧特性の酸素濃度依存性



図 2(b). 小型酸素センサの酸素センサ特性


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Proceedings of Transducers2023, in press.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:1件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る