【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.30】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23KT1074
利用課題名 / Title
地盤改良した土粒子の物理化学特性評価
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
形状・形態観察,分析,建設リサイクル,鉄鋼スラグ,電子顕微鏡/ Electronic microscope,X線回折/ X-ray diffraction
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
加藤 智大
所属名 / Affiliation
京都大学 大学院地球環境学堂
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
佐藤 政司,高橋 英樹
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub),機器利用/Equipment Utilization
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
KT-302:分析走査電子顕微鏡
KT-310:X線回折装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
「持続可能な発展」に向けて,社会経済システムの転換が求められている。そのような中で,資源の循環利用の推進,社会基盤整備方針の転換を図りながら,都市・地域の活性を持続させることが,国土の強靭化,および社会基盤整備の重要な課題である。特に,産業活動から発生する廃棄物由来の資源(建設副産物)を社会基盤整備に利用した場合の環境安全性評価,環境負荷の小さい基礎構造物の建設・維持管理技術の提案が求められている。そこで本研究では,建設副産物の有効利用を目指し,地盤改良を行うことを検討した。特に地盤改良材のうち,鉄鋼スラグ系の建設副産物を軟弱粘土に添加した際の強度変形特性評価を、鉱物組成分析の観点から実施した。具体的には,SEM による表面観察と,X 線回折による分析を行った。
実験 / Experimental
港湾の造成工事などで生じる軟弱粘土地盤を,鉄鋼スラグによって改質する現場を想定した条件を設定し,実験を行った。軟弱粘土の一つである笠岡粘土に対して,鉄鋼スラグのうち製鋼スラグを,配合率 30wt.%で添加し, 笠岡粘土の液性限界の 1.2 倍の値となるように加水して供試体を作製した。その後,供試体を人工海水で満たした 水槽に最大 180 日間水浸させ,海水が鉄鋼スラグの改良効果発現に及ぼす影響を評価した。その際,供試体に針を貫入させるコーン試験(JIS A 1228)を実施して強度発現を評価した後に,図-1 に示すように供試体上部(5 mm 深さ)と,供試体下部の固化した箇所(25 mm 深さ)からサンプリングを行い,C02 を用いた微視構造観察,および X 線回折による鉱物組成分析から,反応メカニズムの評価を試みた。
結果と考察 / Results and Discussion
図-2 に,90 日浸漬後の X 線回折結果を示す。図 2 の上方が供試体上部からのサンプリング結果で,下方が25 mm 深さからのサンプリング結果である。両者を比較すると,コーン試験で強度の低下が見られなかった供試体下部では,供試体上部に比べて炭酸カルシウム(◇)の大きなピークが確認された。この結果から,軟弱な粘土や海水の浸食を受けやすい供試体上部に比べて,供試体下部では鉄鋼スラグの添加に伴って土壌間隙が充填されたことで,強度が発現されたことが推察された。カルシウム化合物による強度発現を予測して顕微鏡分析を行ったが,元素マッピングでは,顕著な差異は確認できなかった。今後は,人工海水への浸漬期間の違いを評価する予定である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図-1 供試体からのサンプリング位置
図-2 X 線回折の結果(90 日浸漬)
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件