【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.25】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23KT1023
利用課題名 / Title
共有結合性有機構造体の結晶性の評価
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials
キーワード / Keywords
形状・形態観察,結晶性,共有結合性有機構造体(COF)
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
西 直哉
所属名 / Affiliation
京都大学 大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
松本光平
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
井上良幸
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
膜状の共有結合性有機構造体(COF)は水の浄化膜[1]として応用が期待されている。我々は、イオン液体 (IL) | 有機溶媒 (O) 界面を液液界面反応場とすることにより、結晶性の高いCOF膜を合成できると着想した。合成したCOF膜の微細構造は非常に壊れやすく、乾燥の際に溶媒との間に表面張力が働くと壊れてしまう。そこで表面張力が働かない超臨界流体中で乾燥を行うために今回、ナノハブ拠点の超臨界洗浄・乾燥装置を使用した。
実験 / Experimental
Oとして1,4-dioxaneとmesitylene (体積比4 : 1) の混合液を使用し、COFモノマーとして1,3,5-tris(4-aminophenyl)benzene (TAPB, 12.5 mM)とterephthalaldehyde (PDA, 18.8 mM)を加えた。ILには1-butyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate (C4mimBF4)を用い、酸触媒としてscandium(III) trifluoromethanesulfonate (Sc(OTf)3, 5 mM)を加えた。ILには、COF合成の脱水縮合反応の生成物である水を加えて希釈し、水分量の影響を調べた。サンプル管にILを0.3 ml入れ、その上にOを1 ml加え3日間静置しCOF膜を成長させた。合成したCOFを超臨界洗浄・乾燥装置を使用し、乾燥させた。乾燥の際にエタノールを溶媒として用いた。また、乾燥装置内でCOFを固定するためにろ紙を使って作った箱を用意し、その中にCOFを入れ乾燥を行った (Fig. 1) 。乾燥は12MPaで3時間行った。
結果と考察 / Results and Discussion
乾燥させたCOF膜をFig.2に示す。厚さ1mmの自立膜が作成できた。この超臨界洗浄を行ったCOF膜は、良好な結晶性を示すことがXRD測定によりわかった。IL中の水分量を変化させて実験したところ、水を75wt%となるように加えた場合に、COF膜の結晶性が最も良くなることが分かった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig.1. Box made of filter paper.
Fig.2. COF film formed at the IL|O interface.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
参考文献:[1] M. Matsumoto et al., Chem, 4, 308–317 (2018).
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 松本、横山、作花、西:「イオン液体 | 油界面での共有結合性有機構造体膜の合成とその特性評価」、第83回分析化学討論会、2023.5.21.、富山大学.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件