【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.07.04】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23UT1220
利用課題名 / Title
有機/無機複合ナノ素材の合成と機能性の創出
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials
キーワード / Keywords
セルロースナノファイバー,電子顕微鏡/ Electronic microscope,水素貯蔵/ Hydrogen storage,X線回折/ X-ray diffraction,ナノワイヤー・ナノファイバー/ Nanowire/nanofiber
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
FUGETSU BUNSHI
所属名 / Affiliation
東京大学 工学系研究科技術経営戦略学専攻
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-010:クライオ透過型/透過走査型電子顕微鏡
UT-006:ハイスループット電子顕微鏡
UT-204:粉末X線回折装置
UT-102:高分解能走査型分析電子顕微鏡
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
アルミニウムと水との反応による水素製造過程におけるTEMPO酸化型セルロースナノファイバー(以下TEMPO-CNFと略称)の疑似触媒としての挙動について検討した。アルミニウムと水との反応に基づき水素を製造する技術はオンタイムin situ的に水素を供給する技術として使われている。しかし、アルミニウムの表面には自発的に生成される酸化アルミニウム膜が水との反応性が乏しいため、大量の苛性ソーダを使って、この酸化アルミニウム膜を除去しなければならない。本研究では、TEMPO-CNFが持っているアルミニウムイオンとの特異的な結合力に注目し、少量のTEMPO-CNFを添加するだけでアルミニウムと水との反応を促進した生体と環境に優しい水素製造技術を開発した。
実験 / Experimental
市販のアルミニウムポウダー(粒子径20~200μm)約50gを、0.2wt%のTEMPO-CNFを含む脱イオン水約1000mLと混合した後、36.5℃~45℃の水浴槽の中で、攪拌しながら、反応させた。発生した水素の体積を5分毎に測定した。生成された白色の沈殿物の組成についてSTEM(JEM-2800),クライオTEM(JEM-2100F),SEM(JSM-7800F),粉末X線解説装置(SmatLab(kα1))を用いて分析した。また、TEMPO-CNFの代わりに、EDTA-3Naとアルギン酸ナトリウムを使って、対照実験を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
TEMPO-CNFがアルミニウムと水との反応を促進することが確認された。その促進機構を以下に説明される:1)アルミニウムポウダーの表面に生成された酸化アルミニウム膜が水の中で加水分解し、アルミニウムイオンと水酸化物イオンを生成される。2)生成されたアルミニウムイオンがTEMPO-CNFと結合して、水に溶けない疑似錯体を形成する。3)生成された水酸化物イオンが残りの酸化アルミニウム膜を溶かし、金属のアルミニウムが露出される。4)露出された金属アルミニウムが水と反応し、水素を生成する。5)白い沈殿物の主成分がバイヤライトである。6)反応は50℃以下でも、4時間以内で完了される。即ち、TEMPO-CNFは疑似触媒として、アルミニウムと水との反応を促進する。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
TEMPO-CNFおよびバイヤライトの微細構造の解析に御指導くださった福川 昌宏様、木村 鮎美様と府川 和弘様に感謝申し上げます。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Bunshi Fugetsu, TEMPO‐Oxidized Cellulose Nanofibers as Pseudocatalysts for in Situ and on‐Demand Hydrogen Generation via Aluminum Powder/Pure Water Reactions at a Temperature below 50 °C, Advanced Energy and Sustainability Research, 4, (2023).
DOI: 10.1002/aesr.202370016
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件