利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.13】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT1206

利用課題名 / Title

アレイアンテナ集積半導体量子井戸光変調器の作製

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

リソグラフィ/ Lithography,光リソグラフィ/ Photolithgraphy,電子線リソグラフィ/ EB lithography,ダイシング/ Dicing,フォトニクスデバイス/ Nanophotonics device,フォトニクス/ Photonics,量子効果/ Quantum effect


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

荒川 太郎

所属名 / Affiliation

横浜国立大学大学院工学研究院知的構造の創生部門

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

肥後昭男,藤原誠

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-503:超高速大面積電子線描画装置
UT-900:ステルスダイサー
UT-505:レーザー直接描画装置 DWL66+2018


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

ミリ波帯光Radio over Fiber (RoF)のため、LiNbO3 (LN)や光学ポリマベースの平面アンテナ集積型光変調器が注目される。我々は、平面アンテナ集積型光変調器の小型化、集積化を目指し、多重量子井戸をコア層とする平面アンテナ集積型InP系量子井戸光位相変調器を提案している。これまで、60 GHz帯ミリ波をターゲットとした矩形パッチアンテナを集積したInGaAs量子井戸光位相変調器を提案し、その動作を実証している。本研究では、光変調特性の向上と作製プロセスの簡易化を目指し、半絶縁性Fe-InP基板を用いた平面アンテナを組み合わせたアレイアンテナ集積量子井戸光変調器を作製し、光変調特性の評価を行った。

実験 / Experimental

図1に作製したアレイアンテナ集積量子井戸光変調器の構造模式図を示す。InGaAs/InAlAs多重量子井戸エピタキシャル基板に電子ビーム露光装置により導波路構造を描画した。次に、誘導結合プラズマ(ICP)ドライエッチングによりハイメサ光導波路構造を作製し、BCB(ベンゾシクロブテン樹脂)で埋め込んだ。次にスパッタ法によりAl上部電極を製膜し、電子ビーム露光装置により電極形状を描画した後、リフトオフ法によりアンテナ電極を形成した。最後に、基板背面をラッピングし、電子ビーム蒸着装置によりグランド電極を製膜し、ダイシングソー、ブレーキング装置により光導波路端面を劈開した。 作製した光変調器の断面走査顕微鏡像を図2に示す。

結果と考察 / Results and Discussion

作製したアンテナ集積光変調器について、電波照射実験を行った。57.4GHzの無線信号(11W/m2)照射時に、45.9dBの最小CSRを観測した。これは10.1mradの位相シフト量に相当する。また、2GHzのデータ信号(BPSK, シンボルレート:1Mbps)の転送をSN比21dB以上で実現した。これによりケーブルや外部電源を用いない、60GHz帯無線信号によるCバンド帯光信号の光位相変調動作を実現した。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations



図1 アレイアンテナ集積量子井戸光変調器の構造模式図 (a)全体図 (b)断面図



図2 作製した光変調器の断面走査顕微鏡像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

電子線露光等についてご指導いただいた肥後昭男特任講師、藤原誠氏に感謝する。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Zhifeng Peng, Tunable Vernier Series-Coupled Microring Resonator Filters Based on InGaAs/InAlAs Multiple Quantum-Well Waveguide, Photonics, 10, 1256(2023).
    DOI: 10.3390/photonics10111256
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. G. Sekiguchi, R. Nakazawa, S. Nakamori, T. Mori, K. Yamada, Y. Otagaki, H. Murata, K. Akahane, and T. Arakawa, "Development of planar antennas integrated quantum well phase modulator for 60GHz band signals," D04-1, URSI General Assembly and Scientific Symposium (GASS) 2023, Sapporo, Japan, 22 Aug. 22, 2023.
  2. 中澤 遼太郎,関口岳,大田垣祐衣,村田 博司,赤羽 浩一,荒川 太郎,“RoFのための円形パッチアンテナを用いた量子井戸光変調器の設計および動作実証”,2024年電子情報通信学会総合大会,C-14-05 (2024年3月5日).
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:1件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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