利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.03】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NI0407

利用課題名 / Title

Fe 含有ゼオライトのメスバウアー分光測定

利用した実施機関 / Support Institute

名古屋工業大学 / Nagoya Tech.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

未利用資源の有効利用技術/ Technologies for effective utilization of unused resources,メスバウアー分光/ Mossbauer spectroscopy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

大須賀 遼太

所属名 / Affiliation

北海道大学 触媒科学研究所 触媒反応研究部門

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

壬生攻

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NI-004:メスバウアー分光装置群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

ゼオライトは、結晶性多孔質メタロシリケートであり、固体触媒として広く用いられている。本研究では、Fe錯体を内包するゼオライト触媒の合成に取り組んだ。合成したゼオライト中のFe種の構造を同定するためには、多角的なアプローチが必要である。メスバウアー分光法はFe錯体の核数を同定する上で優れた分光手法の1つである。そこで、合成したFe含有CHA型ゼオライトのメスバウアー分光法を測定することで、ゼオライト中に含まれるFe錯体の核数の解明を目指した。

実験 / Experimental

Fe-CHA calcin acid calは560 mg、Fe-CHA calcinは150 mgまたは300 mgの粉末試料を、内径18 mmφの試料ホルダーに詰め、通常の透過法を用いて室温にて57Feメスバウアースペクトルを測定した。まず、線源ドップラー速度の範囲を±4 mm/sに設定して測定した。Fe-CHA calcinのスペクトルの -4 mm/s付近に磁気分裂成分に由来すると思われる吸収が現れたため、ドップラー速度の範囲を ±12 mm/sに切り替えて追加測定を行った。速度較正はa-Fe箔のスペクトルで行い、スペクトルの重心位置を速度0 mm/sの基準に設定した。

結果と考察 / Results and Discussion

Fe-CHA calcin acid calおよびFe-CHA calcinのメスバウアースペクトルを図1に示す。これまでの検討結果から、前者にはFe錯体が内包されており、後者にはFe2O3のナノ粒子が担持されていると推測している。Fe-CHA calcin acid calのスペクトルの主成分は、四極子分裂ダブレットである。左右のピークの高さおよび幅が非対称であるため、フィッティングには少なくとも2組の四極子分裂サブスペクトルであったため、Feの局所環境が2種類(以上)存在していることが示唆された。文献と比較した結果、単核と2核、もしくは局所構造が異なる単核種が2種類(以上)存在していると考えられる。一方で、Fe-CHA calcinでは、a-Fe2O3由来とみられる磁気分裂サブスペクトルが観測され、これまでのキャラクタリゼーション結果との整合性が得られた。以上の結果から、今回合成したFe-CHA calcin acid cal中には、単核および2核のFe錯体が存在していることが示唆された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1. Fe-CHA xalcin acid calおよびFe-CHA calcinのメスバウアースペクトル


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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