利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.07.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23YG0061

利用課題名 / Title

ビトリマーにおける粘弾性の温度依存性

利用した実施機関 / Support Institute

山形大学 / Yamagata Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials

キーワード / Keywords

環境材料, ビトリマー, 熱硬化性樹脂, 動的共有結合,成形/ Molding,高強度・生分解性プラスチック/ High-strength, biodegradable plastic,易循環型材料設計技術/ Recycling-friendly material design technology,ハイエントロピー材料/ High entropy material


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

中野渡 万由

所属名 / Affiliation

山形大学工学部高分子・有機材料工学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

YG-001:ツインドライブ型レオメータ


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

ビトリマーはリサイクル可能な架橋樹脂として、動的共有結合による架橋構造を有する。動的共有結合は可逆的な共有結合で、熱、光、触媒等の外部刺激により交換反応が起こる一方、一般使用下においては従来の熱硬化性樹脂同様高強度、高耐熱な特徴を示す。ビトリマーはTgのほかに結合交換に起因する結合交換活性化温度(Tv)が存在するとされ、これが応力緩和へ影響を及ぼすと考えられる。しかし、Tvがどのような現象かまたその測定法について十分に理解されていないため、本研究ではビトリマーの結合交換活性化温度(Tv)に焦点を当て、緩和挙動と体積膨張率の変化の観点から研究を行う。

実験 / Experimental

ツインドライブ型レオメーターの引張モードで測定を行った。動的粘弾性測定(DMA)では、線形領域の粘弾性挙動を測定可能である。装置としてツインドライブ型レオメータ(装置ID:YG-001)を使用し、窒素存在下で測定した。サンプルは幅5mm×長さ25mm×厚さ1mmの短冊状に切り出した。また、ひずみ依存測定を行い、線形範囲内であることを確認した。温度分散性測定はひずみ0.025%、周波数1Hz、温度範囲25~200℃、昇温速度5℃/minで行った。周波数依存測定の条件は応力0.05MPa、周波数100~0.01Hz、温度20~200℃で10℃おきに測定を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

 50、100、150、200℃におけるDMA測定ひずみ依存測定では、~1%で線形領域が確認された。今後のDMA測定は線形領域で行う。測定温度上昇に伴いE’、E’’共に減少した。 周波数1Hzにおける動的粘弾性温度分散測定では、Tanδのピークから40℃でTgを確認、それより高温においてはE’、E’’共に一定のゴム状平坦領域が見られた。これは、結合交換が起こっていても架橋密度が一定に保たれ、粘度変化が小さいためだと考察する。そのため、温度分散測定からTgで見られるものと同様の相転移現象は観察されず、結合交換活性化温度(Tv)において起こる転移はTgと区別される転移減少であると考える。fig1には周波数依存測定から作成したマスターカーブを示す。高温部においてマスターカーブからの逸脱が見られ、Tv以上でエステル結合交換がビトリマーの緩和挙動を支配していると考える。一方でTv以下では、結合交換が凍結しているため、分子鎖の振動による影響が挙動に反映されていると考察する。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


fig1ビトリマーDMAマスターカーブ


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 山形大学工学部高分子有機材料工学科 卒業研究発表会 R6.2.14.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る