利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.07.04】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22MS1052

利用課題名 / Title

E580イメージングユニットを利用した低温プラズマ-マテリアルインフォマティクス

利用した実施機関 / Support Institute

自然科学研究機構 分子科学研究所 / IMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

電子スピン共鳴,イメージング


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

石川  健治

所属名 / Affiliation

名古屋大学低温プラズマ科学研究センター

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

ヤップ リン

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

中村敏和,藤原 基靖,伊木志成子,浅田 瑞枝

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

MS-217:電子スピン共鳴(E580)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

低温プラズマの液体や生体への照射によって,液相の活性種の生成や生体の刺激が作用し,驚くべき現象が発見されている.申請者は,液相などに発生するラジカル種に注目し,電子スピン共鳴法により,その検出に取り組んでいる.本研究では,生体のラジカル発生部位に着目し,そのラジカル発生と生体内活性種の輸送に着目し,電子スピン共鳴イメージング法によりラジカルの空間分布についての研究が重要となっている.そこで,分子研が所有する最新先端分光器であるE580とイメージングユニットを用いてイメージング測定を行い,分子研のもつ充実した技術支援,技術スタッフにより電子スピン共鳴装置を活用した,イメージング精密な解析を実施している.本年度は,世界で随一の低温プラズマ生成ラジカルの時空間分解測定に先駆けた研究の準備が実施できた.

実験 / Experimental

利用者は電子スピン共鳴法を活用したラジカル分析技術を,分子研所有の電子スピン共鳴法を使い,ラジカルの空間分布について精密精確に行った.分子研の電子スピン共鳴装置担当者と打ち合わせ,基本操作の立ち上げをおこなった後,本格的なイメージング測定を実施した.測定サンプルは,植物種子とし,割断した断面試料を作成し,種皮や胚乳に存在するラジカルの2次元分布を得られる測定を実施した.さらに,種子の表面にプラズマを照射したことによるラジカルの発生部位についてイメージング解析を行った.また,銅板電極上に電気化学反応させた金属リチウムの堆積箇所をイメージング分析できた.精密分析に向けて段階を踏んで実施している.

結果と考察 / Results and Discussion

植物種子のバルクの2次元断面を作成し(図中左上),ESR試料棒に取り付けた.試料全体のESR信号はg値2.003付近に取得された(図中左下).さらに,磁場勾配をθとφ方向に与え,各磁場勾配での複数のスペクトルを取得した(図中右下).このスペクトルは空間位置(x,y)情報をもつラジカル信号の勾配磁場の強度の関数として二次元情報の一次元投影されたものと考えられる.すなわち,ラジカル信号マップf(x,y)とすると,その磁場勾配θ方向への線積分投影スペクトルp(θ)を得たものと考える.このフーリエ変換F[p(θ)]をフーリエ空間内のX軸方向,続けてF[p(φ)]をY軸方向に行い,投影切断面定理(Fourier slice theorem)の適用によりフーリエ空間で乗算処理(コンボリューション)してF(X,Y)を得た後で,その実空間(x,y)への逆投影することで,f(x,y)の2次元像を得られた(図中右上).これはトモグラフィーの技術であり,解析上のパラメータを最適に調整することでデータ処理が可能となった.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations



その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

分子研機器センター分析チーム各位に感謝いたします.


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 第61回電子スピンサイエンス学会年会2022年12月2日〜4日熊本市民会館(熊本県)
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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