【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.23】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NU0423
利用課題名 / Title
DNA修飾ナノ粒子コロイド結晶の構造物性研究
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学 / Nagoya Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
DNAナノ粒子,自己組織化ナノ超構造,粒径分布,ゼータ電位
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
張 力東
所属名 / Affiliation
名古屋大学大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
小澤 咲季,KUMAR Chandan
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
西村 真弓
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NU-020:粒径測定装置 ゼータ電位・粒径測定システム(ゼータ電位、粒径・粒度分布)
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
【目的】X線小角散乱(SAXS)法と回転結晶法を用いてDNA修飾ナノ粒子(DNA-NP)コロイド単結晶の構造解析を実現し、結晶の3次元格子乱れを評価することを通じて、結晶を評価するためには大きな結晶が必要です。しかし、一般に数μmを超える単結晶を成長させることは難しいです。そのため、DNA修飾ナノ粒子超格子の結晶サイズ向上のための成長条件の最適化が行われます。そのためには、ゼータ電位などの装置を使用して結晶成長のメカニズムを解明する必要があります。【用途】DNA-ナノ粒子結晶サイズ統計が温度変化によってどのように変化するかを調査しました。【実施内容】重水と水中で、温度が65°Cから25°Cまで変化するにつれてDNAナノ粒子結晶のサイズがどのように変化するかを個別に調査しました。
実験 / Experimental
DNAの鎖は53basepairで、ナノ粒子のサイズは20nmです。このようなDNAナノ粒子を、塩濃度が0.5Mの重水と通常の水の溶液中で60μlを準備しました。実験条件では、溶媒の粘度、屈折率、密度を決めて、65度から温度を下げ、5分ごとに1度下げ、各温度での粒子のサイズと拡散係数を記録しました。
結果と考察 / Results and Discussion
【結果と考察】核生成温度前に、重水中で成長したDNAナノ粒子の拡散係数が水中でのものよりも小さいことを示唆しており[Fig.1]、これは重水がDNAナノ粒子の核生成頻度を抑制している可能性があることを意味します。同時に、重水中で成長した結晶の核生成温度が水中で成長したものよりも高く、成長速度が緩やかであることがわかりました。これは、重水が結晶品質を最適化する原因を示唆しているかもしれません。しかし、温度の急激な低下速度が通常の結晶合成実験の温度低下速度よりも遥かに高いため、光学顕微鏡で観察した結果、DLS実験で使用されたDNAナノ粒子がウルフ結晶を形成していないことがわかりました。したがって、得られた粒子のサイズデータを直接結晶のサイズと見なすことはできません。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 張力東*、小島憧子、Karma Chandan、周幸儀、太田昇、関口博史、原田俊太、宇治原徹、塚本勝男、田川美穂."溶液の組成が DNA修飾ナノ粒子結晶の品質およびサイズに与える影響" 、日本結晶成長学会、2023年12月4日
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件