【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.21】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NU0407
利用課題名 / Title
燃料電池太陽電池の耐久性向上に向けたフラーレン誘導体ラジカルケンチャーの研究開発
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学 / Nagoya Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
燃料電池/ Fuel cell,質量分析/ Mass spectrometry
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
三輪 和平
所属名 / Affiliation
名古屋大学大学院工学研究科化学システム工学専攻
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
目的本研究は、高分子型燃料電池の耐久性向上を目的としたフラーレン誘導体のラジカルクエンチャー開発である。通常、高分子型燃料電池の電解質膜は、フッ素骨格とスルホン酸基をもつ高分子ナフィオン膜を用いるが、駆動中に生ずるラジカル種によって劣化し、燃料電池の性能の低下が問題であった。この問題を克服するため、ラジカル種を除去することができるフラーレン誘導チアを添加剤として利用することに着目した。フラーレン誘導体として、アルコールや水に高度に分散可能であること、ナフィオン膜のプロトン伝導度を損なわないことが上げられる。そこで、本研究では、スルホン酸基をもつフラーレン誘導体の合成を行い、その特性評価を目指した。
用途・実施内容
本研究室では、新規にフラーレン骨格に複数のプロピルスルホン酸基を導入したスルホン酸化フラーレン C60(C3H6SO3)n の合成を行った。導入されたスルホン酸基の数を推定するため、硫黄元素を測定可能な元素分析(NU-001)の測定依頼を行った。
実験 / Experimental
スルホン酸化フラーレン C60(C3H6SO3)n の元素分性(NU-001)を依頼測定した。測定前に、合成で生じた無機塩類を脱塩により除去した。
標準サンプルとして、シスチンを用いた。
結果と考察 / Results and Discussion
測定の結果、以下の表のようになった。サンプル 測定結果(%) 標準サンプルの理論値(%) 備考
サンプル名 秤量値(mg) C H N S C H N S
シスチン 1.630 29.97 5.12 11.62 26.82 29.99 5.03 11.66 26.69 測定前の装置の精度確認のために測定
サンプル 1.820 57.03 2.86 0.01 7.05
1.965 56.96 2.84 0.00 7.67
1.787 57.08 3.03 0.01 7.11この結果から、合成したスルホン酸基の組成をC60(C3H6SO3H)3H5(H2O)14と決定できた。すなわち、フラーレンケージに3つのスルホン酸基が導入されていることがわかった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本元素分析は、機器分析室 林育生様に測定頂いた。この場を借りて感謝申し上げる。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- Kazuhira Miwa, Ratna Balgis, Hibiki Ohashi, Masaya Kawasumi, Shinobu Aoyagi, Takahiro Sasamori, Hideki Yorimitsu, and Yutaka Matsuo, 「Synthesis of sulfonated C60 as a radical quencher for Nafion fuel cell membranes, The 66th Fullerenes-Nanotubes-Graphene General Synposium, March. 6 (Wed) ~ March. 8 (Fri), 2024 Noyori Conference Hall, Nagoya University.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:1件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:1件