【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.21】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NU0404
利用課題名 / Title
表面加工樹脂の表面ゼータ電位測定
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学 / Nagoya Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
ゼータ電位,抗菌・抗ウイルス材料/ Antibacterial/antiviral materials
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
平尾 理恵
所属名 / Affiliation
豊田中央研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
西村 真弓
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NU-020:粒径測定装置 ゼータ電位・粒径測定システム(ゼータ電位、粒径・粒度分布)
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
基板のポリプロピレン(NC)および条件の異なる3種類の表面加工樹脂(T-1,T-3およびT-10)の表面ゼータ電位を測定し、表面加工による表面ゼータ電位の変化を検証した。
実験 / Experimental
ゼータ電位は、電気泳動光散乱分光光度計(ELSZ2、大塚電子)を用いて測定した。各試料(1.5 cm×3.7 cm)を平板測定オプションの石英セルにセットした。電気泳動移動度の測定には、10 mM NaCl pH7.0に分散させた平均粒径520 nmのポリスチレンラテックス粒子(大塚電子)をコントロールとして用いた。各試験片について3回測定し、平均値と標準偏差を算出した。
結果と考察 / Results and Discussion
ポリスチレンラテックス粒子の移動度に関して得られた電気浸透流プロファイルより森・岡本の式に従って電気泳動移動度を算出し、次いでSmoluchowskiの式によりゼータ電位に変換した。図1で示すようにT-1、T-3、およびT-10の表面ゼータ電位はすべてプラスに帯電しており、マイナスを示すNCとは異なっていた。NCの表面ゼータ電位がマイナスの電荷を示したことはポリプロピレン不織布を調べた報告[1]と一致した。さらに、天然ラテックス基板ではあるが、同様の表面加工によりゼータ電位がプラスに転じた報告 [2]とも一致したことから、ポリプロピレンに表面加工をすることで3種類とも表面ゼータ電位はマイナスからプラスに転じることが示唆された。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1. NC、T-1、T-3、T-10の表面ゼータ電位
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
参考文献[1] Sorci, M. et al., ACS Applied Materials & Interfaces, 2022, Vol. 14, No. 22, pp. 25135–25146. [2] Arakkal, A. et al., Reactive and Functional Polymers, 2022, Vol. 172, 105190.
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Rie Hirao, Polypropylene-Rendered Antiviral by Three-Dimensionally Surface-Grafted Poly(N-benzyl-4-vinylpyridinium bromide), ACS Applied Materials & Interfaces, 16, 10590-10600(2024).
DOI: https://doi.org/10.1021/acsami.3c15125
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 平尾理恵、竹内久人、河田順平、石田亘広 「抗ウイルス性能を付与したポリプロピレン表面コーティング」日本農芸化学会2024年度大会 (口頭発表) 2024年3月
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件