【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.22】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NU0032
利用課題名 / Title
地域資源活用型エネルギーエコシステムを構築するための基盤技術の創出
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学 / Nagoya Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
Fe-W合金、グラフェン、めっき構造、微細構造、耐食性,電子顕微鏡/ Electronic microscope
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
PARK Jaehyeok
所属名 / Affiliation
名古屋大学工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
萩尾健史,市野良一
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
樋口公孝
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
硬質クロムめっきは高い硬度、耐摩耗性、耐食性を持って、幅広い産業分野に使用されている。しかし、原料である六価クロム(Cr6+)は発癌性物質であり、環境及び人体への影響の観点からその使用に対する規制が強化されている。Fe-W合金めっきは硬質クロムめっきの有望な代替めっき材料中の一つであるが、酸化による摩擦係数の増加、柱状構造に依存した耐食性の低さがその適用を妨げている。本研究では、Fe-W合金めっきの特性を改善する戦略として、めっき構造をフィラー材料との複合によって制御する方法に着目した。めっきの構造を効果的に改質するため、複合めっき技術を使用して2次元カーボン材料であるグラフェン(Gr)をフィラー材料としてFe-W合金めっきに添加した。めっき試料の断面TEM観察によって、Gr添加がめっきの微細構造変形に及ぼす影響を調査した。
実験 / Experimental
電気めっき法によって鉄板上にFe-W合金めっき及びFe-W/グラフェン複合めっき(約6μm厚)を作製した。試料は集束イオンビーム加工装置 (FB-2100)及び透過電子顕微鏡 (JEM-2100F HK)を用いて微細構造観察、元素分布の分析を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
Fe-W合金めっき及びFe-W/Gr複合めっきのHAADF-STEM画像を図に示す。Fe-W合金めっきは基板から垂直方向のめっき成長によって、めっき面に垂直なクラスターバウンダリーが明瞭に観察された。一方、Grを添加した場合は、めっきに複合されたGrが複合されたところでめっきの垂直成長が妨げられ、クラスターバウンダリーが切断されたことが観察された。腐食の進行経路になる垂直クラスターバウンダリーが切断されたことで、耐食性(特に耐孔食性)が大きく改善できると確認できた。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図 HAADF-STEM画像: (a,c) Fe-W合金めっき (b,d) Fe-W/グラフェン複合めっき.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
FIB加工及びTEM観察は超高圧電子顕微鏡施設技術職員の樋口様の技術支援をうけました。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Yu Shinohara, An effective strategy for improving the performance of electrodeposited Fe-W alloy plating: Tailoring microstructure by graphene incorporation, Materials & Design, 230, 111938(2023).
DOI: doi.org/10.1016/j.matdes.2023.111938
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件