利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NU0028

利用課題名 / Title

圧密木材の細胞壁形状の観察

利用した実施機関 / Support Institute

名古屋大学 / Nagoya Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

圧密木材、細胞壁、横圧縮,電子顕微鏡/ Electronic microscope,バイオアダプティブ材料/ Bioadaptive materials


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

五十嵐 豪

所属名 / Affiliation

名古屋大学環境学研究科都市環境学専攻

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

桂川紗帆,丸山一平

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NU-106:試料作製装置群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

現在、持続可能な社会実現に向けて循環型林業に繋がるような木材利用が推進されており、それに貢献する技術の一つとして、木材を高密度に加工した圧密木材が挙げられている。圧密木材は無垢材と比較して傷がつきにくく、小断面で高い剛性・強度を持つため、木材の付加価値を高める技術と考えられている。圧密木材は濡れると圧縮時の細胞壁の変形が回復してしまい、有用性が低いことが課題であったが、現在は圧密工程や後処理を工夫することで、濡れても変形が回復しない圧密木材が開発されている。水に対する寸法安定性が向上した要因の一つとして、圧縮時に木材に蓄えられた弾性エネルギーの減少が考えられている。そこで我々は、圧縮加工による細胞壁の変形形状を電子顕微鏡により観察することで、圧縮時の細胞壁の変形挙動を調べることを試みている。圧密木材は硬いため、ミクロトームを用いて平滑な断面を得ることが困難であったが、クロスセクションポリッシャー(NU-106)を用いることで容易に平滑な断面を得られることができ、綺麗な細胞壁形状を観察することが可能となった。

実験 / Experimental

利用装置:Cross Section Polisher(IB-09020CP)(日本電子(株)製) 試験体:切削面(木口面)約2×5 mm、奥行き5 mmに切断した圧密木材 切削条件:ガス流量7.0、加速電圧5 kV、切削時間16時間 蒸着および観察は、当研究室が保有しているSC-701MkⅡ(サンユー電子(株)製)および卓上電子顕微鏡TM4000Plus((株)日立ハイテク製)を使用した。

結果と考察 / Results and Discussion

得られた圧密木材の木口断面の反射電子像を下図に示す。木材は、密度および剛性が高い晩材と低い早材で1年輪を形成しており、細胞壁の圧縮による変形は晩材付近の早材部で発生していることが確認された。また、クロスセクションポリッシャーを用いることで、切削による傷が少ない木口断面を得られることが確認された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図)圧密木材の木口断面の反射電子像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

 本実験で供した圧密木材は後藤木材株式会社よりご提供いただいた。また、本研究はデンカ株式会社と後藤木材株式会社との共同研究である。  本実験では、超高圧電子顕微鏡施設の樋口公孝氏に有益なご助言をいただいた。ここに感謝の意を表する。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 桂川紗帆,小山りさ,長尾美範,丸山一平, 2023年度日本木材学会中部支部大会(石川), 令和5年10月12日.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る