【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.22】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NU0027
利用課題名 / Title
FIB-SEMを用いたAlNウィスカー添加エポキシ複合材におけるフィラー構造の観察
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学 / Nagoya Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
AlN, 放熱材料, 熱伝導率, 三次元構造,電子顕微鏡/ Electronic microscope,集束イオンビーム/ Focused ion beam,ナノワイヤー・ナノファイバー/ Nanowire/nanofiber
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
原田 俊太
所属名 / Affiliation
名古屋大学大学院工学研究科・物質プロセス工学専攻
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
長谷川 瑞記,宇治原 徹
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
電子機器の小型化・高性能化に伴い、発熱密度が問題となっている。構成材料のうち、樹脂材料の熱抵抗がボトルネックになることが多く、本研究室では繊維状窒化アルミニウム粒子(AlNウィスカ)添加複合樹脂に着目した。粒子のアスペクト比が高いため粒子同士の接触確率が高く、少ない充填量でも熱伝導率が向上する。特性の理解のために、粒子のネットワーク構造の評価が重要である。しかし、従来用いていたX線CTでは、装置の分解能と粒子径が同程度であることから、明瞭な像を得ることが難しかった。本研究では、FIB-SEMによる観察と、従来のX線CTによる観察との比較を行った。
実験 / Experimental
AlNウィスカが10vol%添加されたエポキシ試料を作製した。ETHOS NX5000を用いて試料の観察を行った。およそ20×20 µm2の範囲で試料を観察した。
結果と考察 / Results and Discussion
Fig. 1(a)に従来のCT像を示す。従来のX線CTの分解能は0.65 µm/pxである。AlNウィスカの短軸径は数百nmから数µmの粒度分布を持ち、小さい粒子は特に不明瞭である。粒子のネットワーク構造の解析のため二値化が必要だが、粒子の検出精度が低く、粒子が切れてしまうなどの問題があった。Fig. 1(b)にFIB-SEMによって得られた像を示す。像内の分解能はおよそ30 nm/pxであり、鮮明な像が得られた。これらの像を二値化し、三次元にスタックすることで、粒子ネットワーク構造のボクセルデータを得た。粒子のネットワーク構造を可視化するために、ある粒子のセルに着目し、そのセルの周囲6個の第一近接セルを調べた。近接セルも粒子である場合、同一のラベルを割り当てた。この処理を繰り返すことで、ネットワーク構造のドメインを可視化した。これらをFig. 2(a)および(b)に示す。従来のX線CTと比較すると、FIB-SEMではAlNウィスカの検出および接触が精度よく確認できており、三次元構造を評価するのに充分であると考えられる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 An image of (a) conventional X-ray CT and (b) FIB-SEM.
Fig. 2 Domains in a three-dimentional network structure of (a) conventional X-ray CT and(b) FIB-SEM.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件