【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.29】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23UT0358
利用課題名 / Title
XRDラインプロファイル解析を用いたベイナイト鋼の転位密度測定
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
鉄鋼材料、転移密度,エネルギー貯蔵/ Energy storage,X線回折/ X-ray diffraction
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
浦中 祥平
所属名 / Affiliation
東京大学 大学院工学系研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
綿貫成
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
府川和弘,飯盛桂子
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
材料の微細組織は疲労特性等の機械的特性に大きく影響することが知られている。特に強化機構やバウシンガー効果等の転位運動挙動が大きく影響する機構を議論する上では転位密度の定量解析が必要不可欠である。
本研究では、焼入れおよび焼戻しを施したマルテンサイト・ベイナイト鋼の転位密度についてXRD解析を利用して評価した。
実験 / Experimental
本研究では低炭素鋼(0.1%C鋼)の焼入・焼戻材を利用した。熱処理は900 ℃で30分間のオーステナイト化処理を施した後に水冷し、
マルテンサイト・ベイナイト組織を得た後に、300 ℃または600 ℃二水準の温度で焼戻しを施した。ここで、焼入材や300 ℃焼戻材では過飽和固溶炭素による正方晶性に起因したXRDピークの広がりが懸念されるため、転位密度が低下する恐れのない350 ℃-1hrの焼戻しを再度施すことで、正方晶性の影響を除外した。XRDに供した試料については、表面を湿式研磨後、研磨による歪層を除去する目的で50 μm以上電解研磨を施すことで仕上げた。なお、装置関数を除去するために標準材として十分に焼なました純鉄を利用した。
結果と考察 / Results and Discussion
焼入材と300 ℃焼戻材では転位密度が約1015 m-2と高転位密度であることが分かり、300 ℃および350 ℃の焼戻しでは転位密度がほとんど変化しないことが明らかとなった。また、より高温の600 ℃焼戻材では約1014 m-2まで転位密度が低下しており、焼戻しによって転位が消滅したことが明らかとなった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本研究におけるXRD解析に際しまして施設・装置を利用させて頂き、また科学的・技術的ご支援を賜りました東京大学工学系研究科総合研究機構ナノ工学研究センターの府川様、飯盛様に心から謝意を表します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件