利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.04.19】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22MS1043

利用課題名 / Title

X線結晶構造解析による新規合成有機化合物の構造決定

利用した実施機関 / Support Institute

自然科学研究機構 分子科学研究所 / IMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials

キーワード / Keywords

X線結晶構造解析、有機化合物、絶対構造、有機金属錯体


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

藤沢  郁英

所属名 / Affiliation

豊橋技術科学大学応用化学・生命工学系

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

岡野 芳則,藤原 基靖,伊木 志成子,兵藤 由美子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

MS-205:単結晶X線回折(CCD-1)
MS-206:単結晶X線回折(CCD-2)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

分子科学において、正確な分子の三次元立体構造はその分子の反応を考えたり、性質を予測したりする上で非常に重要である。本研究では、新規に合成された有機化合物の構造をX線結晶構造解析で決定することにより、各化合物の理解を深め、分子科学の分野に貢献することを目的としている。

実験 / Experimental

有機合成を行っている研究室からの依頼で、合成された10種類の有機低分子の構造をX線結晶構造解析により絶対構造まで正確に決定することを目指し、より高分解能で、良いデータを得られるように試みた。 2022年 9月 8, 9日、9月14, 15日、11月17, 18日、11月30日、12月 1, 2日、2023年 1月19, 20日、2月23, 24日、3月 2, 3日に貴施設の単結晶X線回折測定装置(Mo線源、Rigaku社製 Mercury CCD-1, CCD-2)を使用し、CCDカメラで回折データを収集した。測定した結晶の多くは回折点を観測することができたため、結晶であることは確認できたが、分解能が低い、格子定数が定まらない、少しだけmosaicityが高い、R-mergeが高い等の問題点があった場合には、再結晶のやり直し、結晶の交換、結晶の取り付け方法の変更、露光時間やカメラ長等の測定条件の変更等により、より良い回折データが得られるように試みた。構造解析は大学に回折データを持ち帰り行った。

結果と考察 / Results and Discussion

10種類の化合物について最終的には高分解能の回折データを測定でき、多くの結晶について、構造解析により絶対構造までの構造決定を行うことができた。依頼者に報告し、論文中で使用される予定である。測定に使用した結晶の写真を下に載せる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1. X線回折測定に使用した結晶の拡大写真。左と右は角度を変えて撮影したもの。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

貴施設の単結晶X線回折装置の利用時には分子科学研究所機器センターの藤原先生と岡野先生には大変お世話になりました。ありがとうございました。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Nansalmaa Otog, Highly enantioselective synthesis of norcaradiene derivatives from naphthyl diazoacetamides using a Ru(ii)-Pheox complex, Chemical Communications, 58, 12325-12328(2022).
    DOI: 10.1039/d2cc04355f
  2. Nansalmaa Otog, Catalytic Asymmetric Carbene Insertion Reactions into B−H Bonds Using a Ru(II)‐Pheox Complex, European Journal of Organic Chemistry, 2021, 1564-1567(2021).
    DOI: 10.1002/ejoc.202100034
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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