利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.29】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT0338

利用課題名 / Title

TRIP 材の破壊現象が受ける履歴効果の理解深化

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

TRIP鋼,電子顕微鏡/ Electronic microscope,水素貯蔵/ Hydrogen storage


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

Morohoshi Ritsuki

所属名 / Affiliation

東京大学 大学院工学系研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

菅野由美子,浦中祥平

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

福川昌宏

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-103:高分解能走査型電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

2050 年のカーボンニュートラルに向けた人類社会の変容のための技術開発が世界規模で行われている。わが国では、炭素を含有しない水素をエネルギーキャリアとして運搬貯槽消費する水素社会を目指している。本研究では 2030年の運転再開を目指す大型液化水素貯槽用材料の信頼性評価に注目している。現行知見の限界を端的に言えば、20K 程度の極低温下で水素脆性の影響を受けた材料の破壊靭性値 (Critical J (JIC))や疲労特性がほとんど検証されていないことである。つまり地震等がもたらす繰り返しの塑性ひずみ付与が極低温下の母材・溶接部の材料特性に与える影響を全く考慮できていない。国際競争を見据えた効率的な材料設計のためにはこれらのメカニズム解明が待たれる。また、高多軸度場かつ構造信頼性評価の上で最も重要な予歪を受けたき裂を含む材料の構造健全性、つまり破壊力学評価は急務である。本研究では種々の単軸予歪を加えた後切り出したCT試験片をASTM E1820にしたがい破壊し、その破壊近傍のマルテンサイト変態を観察することで破壊靭性評価の評価精度向上を目的とする。

実験 / Experimental

CT試験後の破面を縦に切り出し、平面出しをする。そうして研磨された表面をJSM-7000Fを用いてEBSD観察を行った。破面近傍に未変態領域が無いか検討した。

結果と考察 / Results and Discussion

意外にも未変態領域が複数残っていることがわかった。現行のASTM E1820での破壊靭性値算出方法では実質的には破壊に至るまでの外部仕事量を独立変数とする単純な近似式を用いているため、塑性仕事が直接破壊靭性に影響を及ぼす。そのため実験的に未変態領域が残っていることは塑性域の縮小、塑性仕事の縮小を意味している。これがASTM E1820での破壊靭性と具体的にどのように関連するかは引き続き検討中である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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