利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.29】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT0324

利用課題名 / Title

鉱物多結晶体の創製

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/ Electronic microscope,X線回折/ X-ray diffraction,ナノ粒子/ Nanoparticles


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

小泉 早苗

所属名 / Affiliation

東京大学 大学院理学系研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

福川 昌宏,府川 和弘, 飯盛 桂子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-103:高分解能走査型電子顕微鏡
UT-102:高分解能走査型分析電子顕微鏡
UT-203:粉末X線回折装置
UT-009:ハイコントラスト透過型電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

岩石物性における不純物効果を詳細に調べるために天然のカンラン岩泥を原料とした試料合成を行った。原料を北海道幌満岩体から橄欖岩砂を採取し、湿式ジェットミルで微細化加工した。微細化加工後の粉末を放電プラズマ焼結法用いて、緻密細粒多結晶体の創製を行い、微細組織や相同定、結晶方位測定などの特性評価を行った。

実験 / Experimental

原料を北海道幌満岩体から橄欖岩砂を採取し、コンタミレス粉砕の可能な湿式ジェットミルで微細化加工した。微細化加工後の粉末を放電プラズマ焼結法用いて緻密細粒多結晶体(岩石アナログ物質)を創製した。採取試料や微細化加工後の粉末および合成した多結晶体試料の微構造観察は、走査型電子顕微鏡(FE-SEM; JSM-7800F, JEOL)及び透過電子顕微鏡(TEM; JEM-2010HC, JEOL)で、相の同定はX線回折装置(SmartLab, Rigaku)、結晶方位解析は電子線後方散乱回折装置(EBSD; JSM-7000F SEM+ View digital EBSD camera)で行った。

結果と考察 / Results and Discussion

採取試料の微細化加工の最適化及び鉱物微粉末の合成条件や焼結条件(焼結温度や時間、昇温速度)の最適化を行う事で、既存手法である高純度試薬から合成する人工鉱物多結晶体合成法(Koizumi et al. 2010, 2016)で得られた高純度岩石アナログと同等の微細組織を有する実験室実験用の岩石試料の合成が可能になった。特に焼結プロセスに放電プラズマ法を用いることで、不純物を多く含み融点が低いために緻密化が困難な試料を低温度かつ短時間での高緻密化を可能にした。本研究では、空孔率<0.1%、平均粒子径<1.0 μmの等粒状の粒子から成り、メルトやクラックの無い高品質の試料合成に成功した。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究は東京大学地震研究所共同利用(2016-B-05)の助成を受けて実施された。本研究の一部は、文部科学省「マテリアル先端リサーチインフラ」事業(課題番号 JPMXP1223UT0324)の支援を受けた。 2022年度課題論文:10.1029/2022JB024752


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 小泉 早苗、平賀 岳彦. Highly dense fine-grained upper mantle composites synthesized from sedimentary mud in the peridotite quarry, 幕張メッセ・千葉, 2023年5月25日, SCG50-P01
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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