【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.29】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23UT0291
利用課題名 / Title
フッ素を含有した金属水酸化物の構造と物性
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials
キーワード / Keywords
金属水酸化物、含水鉱物,電子顕微鏡/ Electronic microscope,セラミックスデバイス/ Ceramic device
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
鍵 裕之
所属名 / Affiliation
東京大学 大学院理学系研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
He Xuejing,村岡 賢佑,森田 千歩
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
近藤 尭之
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-101:低損傷走査型分析電子顕微鏡
UT-102:高分解能走査型分析電子顕微鏡
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
水素は現代社会を支える重要な元素である。申請者らは地球深部における揮発性元素の挙動を解明することを目的として、高圧条件における金属水素化物や金属水酸化物の挙動を構造化学的な側面から研究している。特に最近は、金属水酸化物の高圧下での水素結合の挙動に与えるフッ素の影響を振動分光法や中性子回折によって明らかにしようとしている。ここではMg(OH)2にフッ素をドーピングしたMg(OH, F)2とMgOHFを合成し、高圧下でのX線回折、中性子回折、ラマンスペクトルの測定を行った。ARIMでは合成した試料の表面形状ならびにフッ素濃度を電子顕微鏡観察によって行った。
実験 / Experimental
Mg(OH, F)2とMgOHFの試料はオートクレーブを用いた水熱合成によって得た。得られた試料の結晶性、粒子サイズ、フッ素濃度は走査型電子顕微鏡を用いて決定した。高圧下でのラマンスペクトル、X線回折はダイヤモンドアンビルセルを用いた高圧下その場観察によって測定した。
結果と考察 / Results and Discussion
金属水酸化物は高圧下で水素結合が強化する。これまでの我々の実験結果から、金属水酸化物にフッ素が取りこまれることにより、水素結合の圧力応答が鈍化する傾向が見いだされている。本研究の結果は地球深部における含水鉱物の脱水挙動にも重要な知見を与える。沈み込み帯で地表から地球深部に水を運搬する含水鉱物は、地球深部の高温高圧条件で脱水して火山活動や地震活動のトリガーとなる。地球深部に豊富に存在するフッ素が、地球深部の水の挙動に大きな影響を及ぼす可能性がある。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件