利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.29】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT0214

利用課題名 / Title

アンモニア燃焼における表面反応の解明

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

耐熱性ステンレス鋼,電子顕微鏡/ Electronic microscope,X線回折/ X-ray diffraction


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

李 敏赫

所属名 / Affiliation

東京大学 大学院工学系研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

鈴木 雄二,王 道遠,邢 裕健,Tianrui DENG

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-858:電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

アンモニア火炎による鉄系試験片の窒化効果を評価するため,EDS及びWDSを装備する電子顕微鏡を利用して試験片表面・断面の表面分析を実施した.

実験 / Experimental

耐熱性ステンレス鋼SUS310S製試験片を混合気中の水蒸気濃度を0%から20%まで変化させたアンモニア火炎に5時間露出させることにより,試験片の表面を窒化させた.試験片の断面をワイヤソーでカットした後,鏡面研磨した.電子顕微鏡(JSM-6610LV Oxford X-max50 + Energy 250)を用いて断面の観察を行い,EDSによる元素の同定およびWDSによる元素濃度の定量計測を行なった.

結果と考察 / Results and Discussion

図1に,水蒸気濃度の変化による,試験編深さ方向の窒素原子濃度変化を示す.水蒸気濃度が0%の時,表面における窒素原子濃度は約9.6%まで増加し,窒化層の厚さは約21 μmとなる.しかし,水蒸気濃度の増加に伴い同一深さ位置における窒素原子濃度が減少するとともに窒化層が薄くなり,水蒸気濃度が20%まで増加すると,表面での窒素原子濃度と窒化素の厚さはそれぞれ4.7%,12 μmとなる.以上の結果は,混合気中の水蒸気がアンモニア火炎によるステンレス鋼の窒化効果を抑制することを示唆する.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1.混合気中水蒸気濃度による窒素原子濃度深さ方向分布の変化.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)



成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Peijie Feng, Ammonia thermal decomposition on quartz and stainless steel walls, International Journal of Hydrogen Energy, 48, 29209-29219(2023).
    DOI: 10.1016/j.ijhydene.2023.04.106
  2. Daoyuan Wang, Nitriding Effects of Ammonia Flames on Iron-based Metal Walls, Journal of Ammonia Energy, 1, (2023).
    DOI: 10.18573/jae.8
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 王 道遠, 李 敏赫, 鈴木 雄二, “アンモニア火炎によるステンレス鋼の窒化過程における壁面温度の影響,” 第60回日本伝熱シンポジウム, 福岡, 2023年5月25日-27日, F122.
  2. 邢 裕健, 王 道遠, 李 敏赫, 鈴木 雄二, 
“アンモニア火炎による金属壁面の窒化に対する水蒸気濃度の影響,” 
日本機械学会熱工学コンファレンス2023, 神戸, 2023年10月14日-15日, E124.
  3. 王 道遠, 邢 裕健, 李 敏赫, 鈴木 雄二, “アンモニア火炎による金属の窒化におけるラジカル種の影響,” 第61回燃焼シンポジウム, 秋田, 2023年11月15日-17日, A213.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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