【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.01】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23UT0211
利用課題名 / Title
含フッ素化合物の自己組織化構造の解明
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
フッ素系高分子,X線回折/ X-ray diffraction,電子分光/ Electron spectroscopy,エリプソメトリ/ Ellipsometry
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
川口 大輔
所属名 / Affiliation
東京大学 大学院工学系研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
奥田瑞来,岡添 隆,秋山みどり
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
森山和彦,飯盛桂子,府川和弘
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-202:高輝度In-plane型X線回折装置
UT-203:粉末X線回折装置
UT-303:分光エリプソメータ
UT-308:多機能走査型X線光電子分光分析装置(XPS)with AES
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
フッ素系高分子は熱安定性、撥水撥油性、低屈折率など様々な性質を示す有用なポリマーである。さらなる高機能材料を構築のためには、高分子材料におけるフッ素の効果を理解し、有効に活用する必要がある。そこで、新しい非フッ素系コモノマーとして[1.1.1]プロペランに着目し、含フッ素モノマーと非含フッ素モノマーからなる共重合体を合成し、その薄膜の凝集構造について検討した。
実験 / Experimental
光開始剤の存在下、ジエチルエーテル溶媒中において、[1.1.1]プロペランとペルフルオロ(プロピルビニルエーテル) (PPVE)または2-(ヘプタフルオロプロポキシ)ヘキサフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテル(PHVE)の共重合を行った。核磁気共鳴測定に基づき、得られた共重合体には40%程度のペルフルオロエーテルが含まれることを確認した。得られた共重合体の薄膜をスピンコーティング法に基づき作製し、その凝集構造をX線反射率(UT-202, 203)測定、偏光解析(UT-303)測定およびX線光電子分光(UT-308)測定に基づき評価した。また、膜表面の濡れ性は接触角測定に基づき評価した。
結果と考察 / Results and Discussion
得られた膜の表面は平滑であった。X線回折測定に基づき、膜は完全な非晶質状態ではなく、ナノ凝集体が形成されていることが示唆された。これは、交互性の高い配列とビシクロペンタン骨格の剛直な性質によるものと考えられる。得られた共重合体膜の表面自由エネルギーはいずれもポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のそれと同程度かそれよりも低い値であり、撥水性・撥油性を示した。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 奥田瑞来、増田潤季、木幡 愛、中川 慎太郎、柏木 王明、杉山 徳英、岡添 隆、川口大輔、秋山みどり、“[1.1.1]プロペランとフルオロアルケンの共重合による新規フッ素ポリマーの合成と物性評価”、第72回高分子討論会、令和5年9月26日
- Mizuki Okuda, Junki Masuda, Ai Kohata, Shintaro Nakagawa, Kimiaki Kashiwagi, Norihide Sugiyama, Takashi Okazoe, Daisuke Kawaguchi, Midori Akiyama, “Synthesis and Properties of Copolymers Composed of [1.1.1]Propellane and Fluoroalkenes”, The 6th G'L'owing Polymer Symposium in KANTO (GPS-K 2023), 令和5年11月25日
- Daisuke Kawaguchi, Mizuki Okuda1, Junki Masuda, Ai Kohata1, Shintaro Nakagawa, Kimiaki Kashiwagi, Norihide Sugiyama, Takashi Okazoe, Midori Akiyama, “Aggregation States and Surface Wettability in Films of Copolymers Containing a Relatively High Content of Perfluorovinylether”, 第73回高分子学会年次大会、令和6年6月6日
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件