利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.29】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT0176

利用課題名 / Title

抗がん剤ミセルの開発

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/ Electronic microscope,DDSマテリアル/ DDS material,ナノ粒子/ Nanoparticles


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

Hong Taehun

所属名 / Affiliation

株式会社アンビシオン

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

木村 鮎美,寺西 亮佑

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-011:有機材料ハイコントラスト透過型電子顕微鏡
UT-010:クライオ透過型/透過走査型電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

生体内でガンを特異的に標的することで効果的ながん治療を実現するドラックデリバリーシステムの開発を目標としている。体内で劇的な副作用をもつものや、単に注入するだけでは効果がない薬剤を、ターゲットに正確に届けることで抗がん効果を目指している。一例として、メッセンジャーRNA (mRNA)や抗体タンパク質などを生体適合性の高いポリマーに包み、それがガン細胞等の作用すべき所に正確に届き、正確に開放するような仕組みを作っている。薬剤を、体内で様々な生体フィルターを通過して正確にターゲットとする組織に届けるためには薬剤粒子の正確なサイズや硬さ等が重要になる1,2。本研究では透過型電子顕微鏡(JEM-1400及びJEM-2100F)を使って、作成した薬剤粒子のサイズや硬さを検討した。さらには細胞内の微細構造に正確に粒子が届いたかを評価した。

実験 / Experimental

エンドソーム脱出を目指したpH応答性mRNAミセルを生成した。そのミセルがエンドソームのみで開放するためには、生体内の他の場所では解けないように硬い必要がある。一般的にミセル作成に使用されるPEG-PlysにCAAを付け架橋することで、同様な条件でウランの染まり方の違いを比較することで従来のミセルより硬いミセルの作成を検討した。次に、免疫治療のための抗体内包ミセルを作成した。殻であるPEGに内包したミセルを形成しているかをDLSで測定した粒子全体のサイズとJEM-1400で測定したコアのサイズを比較することで検討した。最後に、がんのミトコンドリアを治療するためにミトコンドリアを正確にターゲットとするシステムを開発した。このシステムによってミトコンドリアに正確に薬剤粒子が届いているかとミトコンドリアにおける局所分布をJEM-2100を利用して3次元画像で確認した。

結果と考察 / Results and Discussion

エンドソーム脱出を目指したpH応答性mRNAミセルに関しては同じ濃度のウラン染色でも架橋有無によって染色の仕方が変化した。架橋したものはネガティブに染まり、架橋していないミセルはポジティブに染まった。これは架橋することで外部からのウランのような低分子の侵入を防いだことを示唆する。次に、免疫治療のための抗体内包ミセルを作成した。殻であるPEGに内包したミセルを形成しているかをDLSで測定した粒子全体のサイズとJEM-1400で測定したコアのサイズを比較した。その結果は20nmの殻ができていることが分かった。最後に、がんのミトコンドリアを治療するためにミトコンドリアを正確にターゲットとするシステムを開発した。このシステムによってミトコンドリアに正確に薬剤粒子が届いているかとミトコンドリアにおける局所分布をJEM-2100を利用して3次元画像で確認した。その結果、本研究で開発したミトコンドリアターゲットナノキャリアはミトコンドリアのマトリックスに分布することがわかった。3次元解析によって詳細な細胞内分布を知ることができた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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