【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.21】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23UT0167
利用課題名 / Title
AgTe微結晶の測定
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed
キーワード / Keywords
準安定相直方晶、アモルファス,熱電材料/ Thermoelectric material,X線回折/ X-ray diffraction
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
中岡 俊裕
所属名 / Affiliation
上智大学 理工学部機能創造理工学科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
Yin Yifei
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
府川和弘,飯盛桂子
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
AgTe化合物は柔軟性と高い熱電特性を兼備する結晶が多く、フレキシブル熱電素子の材料として期待できる。本研究グループでは、これまで薄膜では人工的に作成できていなかった準安定相直方晶AgTeとアモルファスTeを含む薄膜のスパッタ成膜により作製している。物性測定、熱電応用のためには、アモルファスTeの分離除去が必要であり、昇華による除去を実施した。除去後に、X線回折(XRD)測定で検出できる結晶性、結晶サイズを得ることを目的とする。
実験 / Experimental
Ag:Te=1:1またはAg:Te=1:2のターゲットを用いてAgTeを含有する薄膜をスパッタ成膜した。前者をAgTe薄膜、後者をAgTe2薄膜と呼ぶことにする。それぞれ1Pa以下の真空下で熱アニールし、昇華を試みた。Smartlab(9kW)を用いた薄膜法により、様々な熱アニール条件の素子をXRD測定した。
結果と考察 / Results and Discussion
アモルファスTeは室温での保管および熱アニール時に六方晶Teへ結晶化する。150度ぐらいからTeの昇華が生じ、XRDのTeピークが減少する。190度6時間以上のアニールによりTeピークが消失した。一方、180度以上のアニールにより六方晶Ag5Te3ピークが相対的に増大した。AgTe薄膜とAgTe2薄膜では本質的な違いは見られなかった。準安定相である直方晶AgTeが熱分解により六方晶Ag5Te3へ転移したものと考えられる。以上まとめると、Teの昇華分離に成功した。一方、本定常的昇華条件では六方晶Ag5Te3への熱分解が生じるため、直方晶AgTeのみ抽出するには、RTAなどさらにことなるアニール条件の開拓や薬品による除去との組み合わせが必要であることがわかった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本内容を含む論文は投稿済みで現在査読中である。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件