利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.21】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT0139

利用課題名 / Title

永久磁石の微細構造解析

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

磁性材料,フェライト磁石,アクチュエーター/ Actuator,電子顕微鏡/ Electronic microscope,集束イオンビーム/ Focused ion beam


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

川田 常宏

所属名 / Affiliation

株式会社 プロテリアル

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

村上善樹

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

柴田直哉

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-152:CADデータ連動3次元機能融合デバイス評価用前処理システム


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

マグネトプランバイト型フェライト磁石に代表される硬質磁性材料は永久磁石として利用されており,電気モーター等の性能向上のために硬質磁性材料の高保磁力化が求められている.先行研究により,合成時の組成の変更による主相の改質や,熱処理条件の変更による粒界相などの微細組織の制御が保磁力の向上に有効であることが明らかにされている.したがって永久磁石中の結晶構造・微細組織が,磁気構造にどのような影響を及ぼしているかを明らかにすることは保磁力発現機構の解明に不可欠である.マグネトプランバイト型フェライト磁石の局所領域におけるSTEMを用いた微細組織と磁気構造の複合解析を行うため,本研究では複合観察に適したSTEM観察用試料の作製を行った.

実験 / Experimental

電子顕微鏡用試料作製装置FIB XVision200TBを用いて.マグネトプランバイト型フェライト磁石から薄片を切り出し,STEM観察用の試料の作製を行った.

結果と考察 / Results and Discussion

暗視野(ADF) STEM法,微分位相コントラスト(DPC) STEM法により試料の微細組織および磁区構造の観察を行った.作成した試料はおよそ5 µm程度の広範囲でSTEM観察可能な厚さとなっており,幅1 µm程度の180度磁区が帯状に存在することが確認できた.一方で, DPC STEM法による磁区構造観察の際に,歪み由来のコントラストが強く重畳することがわかった.この歪み由来のコントラストは他の作製手法によるSTEM観察用試料に比べても特異に強いコントラストであることから,FIBによる薄片化中に導入されたと考えられる.このため,歪みの生じないような薄片化の順序,イオンビームの照射時間などについてさらなる検討の必要がある.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究はARIM解析部門の森田真理様の技術支援を受けて行いました.


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 村上善樹、関岳人、穴井克樹、小林義徳、川田常宏、幾原雄一、柴田直哉「DPC STEM法を用いた磁場印加下の磁壁観察に基づくフェライト磁石の局所磁気特性評価」,粉体粉末冶金協会2023年度秋季大会,京都市,2023年10月(口頭)
  2. 村上善樹、関岳人、穴井克樹、小林義徳、川田常宏、幾原雄一、柴田直哉「DPC STEM法による磁壁観察に基づくフェライト磁石の局所磁気特性評価」,日本顕微鏡学会 第79回学術講演会,松江市,2023年6月(口頭)
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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