【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.19】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23UT0117
利用課題名 / Title
高温高圧下において有機物から生成したglassy carbonの化学結合評価
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials
キーワード / Keywords
堆積物有機物,電子分光/ Electron spectroscopy,ナノカーボン/ Nano carbon
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
篠崎 彩子
所属名 / Affiliation
北海道大学 理学研究院地球惑星科学部門
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-308:多機能走査型X線光電子分光分析装置(XPS)with AES
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
長鎖アルカンや芳香族カルボン酸を出発物質として、高温高圧処理した試料から見つかった溶媒に不溶なglassy carbonを対象に、XPSによる化学結合状態を評価し、高温高圧条件におけるglassy carbonの生成メカニズムを検討する。glassy carbonの化学結合状態の出発物質による違いや温度圧力条件による変化を比較した。芳香族カルボン酸を出発物質とした場合には、カルボキシ基の脱離が観察され、sp2結合だけでなくsp3結合が見られた。長鎖アルカンを用いた場合のglassy carbonはsp3結合が主体であると考えられる。
実験 / Experimental
glassy carbonは芳香族カルボン酸と長鎖アルカンをピストンシリンダー型高温高圧発生装置を用いて0.5/1.5 GPa, 400℃で反応させ、合成した。反応後常温常圧へと回収した試料は、ジクロロメタン溶媒で未反応出発物質や分解生成物などを分離した。事前にラマン分光分析により、glassy carbonの生成をチェックした後PHI 5000 VersaProbe IIIを用いてXPS分光分析を行った。得られた高圧試料は1mg未満のごく微量であったため、インジウム小片に埋め込み、表面をアルゴンスパッタリングによりクリーニングした。高分解能XPSスペクトルは 0.01 eV/stepの条件で測定した。
結果と考察 / Results and Discussion
芳香族カルボン酸については反応後、C-O結合が見られないことからカルボキシ基が脱離したことが分かる。出発物質には見られないsp3結合が観察された。一部の芳香環がp3結合によって重合したと考えられる。Glassy carbonのsp3/sp2比は0.4-0.5程度であり、0.5 GPaと1.5 GPaで合成した試料の間に有意な違いは見られなかった。長鎖アルカンについては、sp2結合は観察されず、sp3結合が主体であったが、ピークの半値幅が大きくその原因については現在検討を進めている。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件