利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.01】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT0115

利用課題名 / Title

有機半導体・有機強誘電体薄膜の構造解析

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

有機強誘電体,X線回折/ X-ray diffraction


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

二階堂 圭

所属名 / Affiliation

東京大学 大学院工学系研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

首藤 龍馬,宮本 樹,宮田 稜

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-202:高輝度In-plane型X線回折装置
UT-203:粉末X線回折装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

多軸性の自発分極を持つ柔粘性/強誘電性結晶について、薄膜結晶における結晶軸の配向を同定するために東京大学の設備を利用し、薄膜X線回折測定を行った。

実験 / Experimental

透明電極であるフッ素ドープ酸化スズ(FTO)が製膜されたガラス基板上に有機強誘電体[MDABCO][PF6][1]の水溶液を滴下し、多結晶薄膜を作製した。作製した薄膜に対し、高輝度In-plane型X線回折装置(UT-202)を用いてθ / 2θ-スキャンによる薄膜X線回折測定を行った(図1(a))。HyPix-3000を検出器に用いることで回折像の2次元測定を行い、基板に対する格子面の配向を評価した。

結果と考察 / Results and Discussion

図1(b)に強誘電体[MDABCO][PF6]の多結晶薄膜のX線回折の結果を示す。回折像には基板上の透明電極FTOに由来するデバイ環に加え、強誘電体の結晶に由来する回折点が観測された。各々の回折点は単結晶構造解析から明らかにされた格子定数[1]に基づいてミラー指数を同定することができ、(0k0)面が基板に対して平行に配向していることが明らかになった。これらの結果から、薄膜内において主にb軸が基板に対して垂直配向していることが分かった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1.[MDABCO][PF6]多結晶薄膜のX線回折。(a)測定系の模式図。(b)多結晶薄膜のX線回折像。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

[1] J. Harada, M. Takehisa, Y. Kawamura, H. Takahashi, Y. Takahashi, Plastic/Ferroelectric Crystals with Distorted Molecular Arrangement: Ferroelectricity in Bulk Polycrystalline Films through Lattice Reorientation. Adv. Electron. Mater. 8, 2101415 (2022).
口頭発表1:K. Nikaido, S. Inoue, R. Kumai, T. Higashino, S. Matsuoka, S. Arai and T. Hasegawa, “Mixing-Induced Orientational Ordering in Liquid-Crystalline Organic Semiconductors of PE-BTBT-Cn”, 2023 MRS Spring Meeting, EL18.01.06, San Francisco, California, USA, April, 2023.


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 首藤龍馬,宮本樹,井上悟,原田潤,長谷川達生,"新規柔粘性強誘電体[MDABCO][PF6]の結晶薄膜構築とドメイン可視化" 第84回応用物理学会秋季学術講演会(熊本),令和5年9月22日
  2. 二階堂圭,井上悟,都築誠二,熊井玲児,高場圭章,眞木さおり,米倉功治,長谷川達生,"層状有機半導体pTol-BTBT-Cn混合系の電子回折による結晶構造解析:層間アルキル噛み合わせ効果と高秩序相発現" 第84回応用物理学会秋季学術講演会(熊本),令和5年9月22日
  3. 首藤龍馬,宮本樹,井上悟,原田潤,長谷川達生,"柔粘性強誘電体[MDABCO][PF6]薄膜の結晶配向と分極ドメイン制御" 第71回応用物理学会春季学術講演会(東京),令和6年3月22日
  4. 二階堂圭,黒田清太,正力健太郎,高橋陽太郎,井上悟,長谷川達生,"層状有機半導体における分子混合を用いた極性分子秩序と圧電機能の創出" 第84回応用物理学会秋季学術講演会(東京),令和6年3月24日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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