【公開日：2024.07.25】【最終更新日：2024.05.19】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT0098

利用課題名 / Title

歪んだ二面角を有する三座配位子を用いたPd₉L₆形球状錯体の形成

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用（ARIM事業参画者以外）/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）計測・分析/Advanced Characterization（副 / Sub）-

【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials（副 / Sub）-

キーワード / Keywords

単結晶X線回折,X線回折/ X-ray diffraction

利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)

阿部 司

所属名 / Affiliation

東京大学 大学院総合文化研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

飯盛桂子

利用形態 / Support Type

（主 / Main）技術補助/Technical Assistance（副 / Sub）,機器利用/Equipment Utilization

利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-201：無機微小結晶構造解析装置

報告書データ / Report

概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

溶液における分子自己集合では、構成成分数の多い集合体の形成は重要なトピックの一つである。我々はcis保護されたPd錯体=Pdと三座配位子Lを用いた自己集合から、多座配位子に導入する配位環の二面角変化により溶液中で構成成分数の分子自己集合体の合成に成功し、単結晶が得られる結晶化条件を見出した。そこで得られた単結晶の分子構造を明らかにするために無機微小単結晶構造解析装置(UT-201)を用いて構造解析を実施した。

実験 / Experimental

無機微小単結晶構造解析装置(UT-201)を用いて、得られた単結晶にX線を照射することにより構造解析を実施するための反射データを得た。

結果と考察 / Results and Discussion

構造解析を行った結果、得られた結晶構造はPd₉L₆錯体よりもさらに構成成分数の多いPd₁₂L₈錯体であることが明らかとなった（図1）。Pd₁₂L₈錯体は開いた二十面体構造をとっており、ほとんど歪みのない構造であることがわかった。これはPd₁₂L₈構造が熱力学的に最安定種であり、単結晶化の過程でPd₉L₆錯体がPd₁₂L₈錯体に変換したためであると考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations

図1. Pd₁₂L₈錯体の結晶構造

その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)

飯盛桂子様にはX線構造装置を用いた測定の際にお世話になりました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)

1. Tsukasa Abe, Rational design of metal-organic cages to increase the number of components via dihedral angle control, , , (2024).
   DOI: 10.26434/chemrxiv-2024-m8m60
   

口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.

1. 阿部　司, 平岡秀一, "多座配位子内の二面角変化に基づく成分数の多い自己集合性錯体の形成" 第33回基礎有機科学討論会　(岡山), 令和5年9月13日
2. 阿部　司, 平岡秀一 ," Kinetically and thermodynamically controlled self-assembly of M9L6 and M12L8 cages from tritopic ligand by dihedral angle tuning" 錯体化学会第73回討論会（茨城）, 令和5年9月22日
3. 阿部　司, 平岡秀一,"Control of self-assembled metal-organic cages by dihedral angle change in multitopic ligands"日本化学会第104回春季年会（千葉）, 令和6年3月18日

特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件