利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.04.19】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22MS1020

利用課題名 / Title

コラーゲンの構造物性と抗体との分子間相互作用解析

利用した実施機関 / Support Institute

自然科学研究機構 分子科学研究所 / IMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

抗体,安定性,結合


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

織田 昌幸

所属名 / Affiliation

京都府立大学大学院生命環境科学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

越智 咲希,北川 優美

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

長尾 春代,売市 幹大,藤川 清江

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

MS-222:熱分析(等温滴定型カロリメーター/溶液)
MS-230:円二色性分散


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

ミズクラゲ由来コラーゲンは、中性pHでの溶解度も高く、生体親和性も高いことから、再生医療分野などへの素材としての利用が期待されている。本申請者らは、同コラーゲンに対するモノクローナル抗体を取得したので、これら各タンパク質の構造物性と、コラーゲンと抗体との結合性の解明を目的とした。各タンパク質の二次構造および熱安定性を、CDを用いて、コラーゲンと抗体との結合を、ITCを用いて解析した。

実験 / Experimental

CD測定は、10 mmセルを用いて、250-200 nmの遠紫外波長領域でのスペクトル測定、さらに波長を220 nmに固定し、20℃から80℃への昇温測定も行った。ITC測定は、セル側に抗体を、シリンジ側に抗原を入れて、25℃で、各2 mL、20回の滴定実験を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

ミズクラゲコラーゲンは、他のコラーゲンに比べて中性pHでの溶解度が高く、今回、pH 7.5での熱安定性も解析でき、pH 3.0での熱変性中点温度Tmとの比較を行った。その結果、Tm値は、中性pH > 酸性pHとの結果が得られた。ただしいずれのpHにおいても、不可逆の変性で、三重鎖らせん構造の巻き戻りは観測されなかった。酸性pHでの熱安定性は、動物由来のコラーゲンとも比較可能で、クラゲ由来コラーゲンは明らかに安定性が低かった。これは各生物の成育環境(温度)に依存すると考えられ、アミノ酸組成からは、クラゲコラーゲンにProおよびヒドロキシProの含有量が低いことに起因すると考えられた。一方、4種類の抗コラーゲン抗体のうち1種類について、コラーゲンとの結合熱も観測され、コラーゲン検出抗体としての利用価値が見込まれた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Akihiro Nishiguchi, A Trade-off Between Thermostability and Binding Affinity of Anti-(4-hydroxy-3-nitrophenyl)Acetyl Antibodies During the Course of Affinity Maturation, The Protein Journal, 41, 293-303(2022).
    DOI: 10.1007/s10930-022-10053-w
  2. Takahiro Hayashi, Evaluation of multi-specificity of antibody G2 using its single-chain Fv and its covalently linked antigen peptides, Biophysical Chemistry, 290, 106893(2022).
    DOI: 10.1016/j.bpc.2022.106893
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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