利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.18】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT0065

利用課題名 / Title

金属と誘電体の界面の原子構造観察

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

アクチュエーター/ Actuator,MEMS/NEMSデバイス/ MEMS/NEMS device,電極材料/ Electrode material,電子顕微鏡/ Electronic microscope,セラミックスデバイス/ Ceramic device


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

橋本 晋亮

所属名 / Affiliation

TDK株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

柴田直哉

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-001:低加速電圧対応原子分解能走査型透過電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

薄膜アクチュエータはハードディスクドライブの磁気ヘッドやインクジェットプリンタヘッド、オートフォーカス用液体レンズなどの製品に使用されている。汎用的な薄膜アクチュエータは、高い圧電特性を持つチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を厚さ数ミクロンの圧電膜とし、上下面にPtなどの電極膜を接合させた構造となっている。近年、PZTと電極膜の界面にバッファ層としてSrRuO3(SRO)を挿入することで電極との相互拡散や分極疲労、電極剥離を低減できることが明らかとなっている。一方、PZTとSROの格子ミスフィットは3 %と大きいため、転位などの欠陥を導入することによる構造緩和が必要となる。本研究では、PZT/SRO界面近傍のSTEM原子分解能観察により格子ミスフィット緩和機構を調査した。

実験 / Experimental

PZT/SRO/Ptの膜構造を持つ市販の薄膜アクチュエータについて、収束イオンビーム(FIB)によりTEM試料を作製し、走査透過電子顕微鏡(STEM)による原子分解能観察を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

高角度散乱暗視野検出器を用いたSTEM観察(HAADF STEM法)により界面近傍の原子構造観察を行った結果、PZT/SRO界面近傍では転位などの欠陥構造が存在することが確かめられた。解析の結果、転位が格子ミスフィット緩和効果を持つこと、転位以外の欠陥構造についても過去に報告の無い形での格子ミスフィット緩和効果を持っていることが明らかとなった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Shinsuke Hashimoto, Takehito Seki, Yuichi Ikuhara and Naoya Shibata. “Atomic-resolution STEM observation of a PZT/SRO/Pt epitaxial thin film” MRM2023/IUMRS-ICA2023 (Kyoto), Dec. 12, 2023.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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