【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.29】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23UT0040
利用課題名 / Title
下部マントル圧力条件でのLLSVP構成候補鉱物の大歪変形実験
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
結晶方位選択配向,電子顕微鏡/ Electronic microscope
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
夏井 文凜
所属名 / Affiliation
東京工業大学 理学院地球惑星科学系
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
東真太郎
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
森山和彦、福川昌宏
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
地球の最下部マントルには大規模波低速度領域LLSVPがあり、その端で強い地震波異方性が地震波観測から確認されている。このような地震波異方性は鉱物の結晶方位選択配向CPOの発達が引き起こしている可能性がある。LLSVPでCPOの発達が生じる原因は沈み込んだスラブの核マントル境界での衝突やLLSVP内の上昇にともなうせん断変形によるCPO発達との関係が議論されており、LLSVPを構成すると予想される鉱物の定量的な変形実験を行い、それらの鉱物の変形特性(レオロジー)や変形によるCPO発達と地震波異方性の関連性を調べる必要がある。本研究では高圧下での変形試料のCPOおよび粒径の観察を行った。
実験 / Experimental
高圧ねじり変形実験装置である回転式ダイヤモンドアンビルセルを用いて高圧力下で変形した鉱物多結晶体のEBSDを用いたCPOおよび粒径の観察に向けた測定を行った。試料はレニウムもしくはタングステン板に埋没した直径100 μm、高さ50 μmの円柱状のFeO多結晶体であった。試料はダイヤモンドアンビルセルを用いて8-36 GPaの圧力下でねじりの変形実験を行ったものを用いた。変形実験はSPring-8で行われ、試料の変形実験後のXRDからCPOを決定したものを用いた。試料は別機関の集束イオンビーム(FIB)を用いて円柱体試料の縁部分を圧縮軸に平行に切断し、研磨したものを準備した。試料準備後、ARIM共同利用設備である走査型電子顕微鏡(JSM-7000F)を用いて試料研磨面全体のSEM像およびBSE像を取得し、試料研磨面複数箇所のEBSDマッピングデータを取得した。
結果と考察 / Results and Discussion
EBSDマッピングデータの取得はJSM-7000Fを用いて実施した。SPring-8で取得した変形実験後の試料のXRDのデバイリングから解析したFeOのCPOは100軸がせん断方向に配向する結果を示したが、得られたEBSDの測定データもXRDの結果と調和的な結果を示した。Fig.1に取得したEBSDマッピングを示す。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 EBSD mapping (FeO shear deformation @8GPa)
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本研究の一部は、文部科学省マテリアル先端リサーチインフラ(東京大学微細構造解析プラットフォーム)の支援(課題番号:22UT0421)を受けて実施された。 太田健二様と安武正展様の助言、東京大学工学部の福川昌宏様のSEM・BSE・EBSD分析の技術支援に深く感謝します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 夏井文凜, 東真太郎, 岡﨑啓史, 上杉健太朗, 安武正展, 野村龍一, "下部マントル圧力下大歪変形実験でのFeO多結晶体の結晶選択配向特性"地球惑星連合大会(千葉),令和5年5月
- 夏井文凜, 東真太郎, 岡﨑啓史, 上杉健太朗, 安武正展, 河口沙織, 野村龍一, 太田健二, "回転式DACを用いた下部マントル圧力下大歪変形実験より検討するWüstite多結晶体の変形特性"鉱物科学会(大阪),令和5年9月
- 夏井文凜, 東真太郎, 岡﨑啓史, 上杉健太朗, 安武正展, 河口沙織, 野村龍一, 太田健二, "下部マントル圧力下大歪変形実験での(Mg,Fe)O 多結晶体の結晶選択配向特性"高圧討論会(千葉),令和5年11月
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件