【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.16】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23UT0033
利用課題名 / Title
環状集積超分子錯体の構造・機能解析
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
有機系機能性材料,X線回折/ X-ray diffraction,電子分光/ Electron spectroscopy,ナノ多孔体/ Nanoporuous material
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
田代 省平
所属名 / Affiliation
東京大学 大学院理学系研究科化学専攻
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
中島 朋紀,山田 慶彦,中川 慶一
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-204:粉末X線回折装置
UT-308:多機能走査型X線光電子分光分析装置(XPS)with AES
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
本課題は、環状化合物を集積させて超分子金属錯体を構築し、その構造と機能解析を行うことを目的としている。今年度は、非対称環状配位子と金属イオンの自己集合による多孔性金属錯体の合成と構造解析について主に研究を進め、具体的には多孔性結晶の構造解析を行うために粉末X線回折測定とX線光電子分光測定を用いて検討を行った。
実験 / Experimental
非対称環状配位子と金属イオンの自己集合により得られた多孔性結晶をガラスキャピラリーに封入したのち、粉末X線回折装置SmartLAB (Kα1)(リガク)を用いて室温にてX線回折測定を行った。また同多孔性結晶を導電性テープ上にキャストしたのち、多機能走査型X線光電子分光分析装置PHI 5000 VersaProbe III (アルバックファイ) を用いてXPS測定を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
上述の実験によって得られたX線回折ピークについて、結晶構造からシミュレーションされた回折パターンと比較したところ良い一致を示したことから、今回の合成法によって相純度の高いサンプルが得られることが明らかとなった。また、得られた多孔性結晶およびゲストを内包した多孔性結晶についてXPS測定を行い、各元素のピーク強度比から内包ゲスト分子量を見積もり、他の測定結果と合わせて考察を行った。これらの結果から本多孔性結晶の相純度と化学組成、ゲスト吸着能が明らかとなり、その成果を学会にて発表した。また本施設を以前使用して得られたPXRDデータに基づいて研究成果をまとめ、学術論文として発表した。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
【参考文献】
S. Tashiro, M. Shionoya, Acc. Chem. Res. 2020, 53, 632.
S. Tashiro, T. Umeki, R. Kubota, M. Shionoya, Chem. Sci. 2018, 9, 7614.
【謝辞】
JSTさきがけJPMJPR22A8、JSPS科研費JP22H05447(2.5次元物質科学)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
-
Ryunosuke Hayashi, Effector-dependent structural transformation of a crystalline framework with allosteric effects on molecular recognition ability, Nature Communications, 14, (2023).
DOI: 10.1038/s41467-023-40091-6
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 中川 慶一, 田代 省平. 塩谷 光彦, C1対称性大環状配位子から成る二次元金属有機構造体の層間における電荷移動錯体TTF-TCNQの形成, 錯体化学会第73回討論会(水戸市民会館・茨城県水戸市), 令和5年9月21-23日
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件