【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.03】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NU0201
利用課題名 / Title
非空間反転対称磁性体の作製と新規スピン光機能の探索
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学 / Nagoya Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,スパッタリング/ Sputtering,リソグラフィ/ Lithography,電子線リソグラフィ/ EB lithography,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,スピン制御/ Spin control,スピントロニクス/ Spintronics,フォトニクス/ Photonics
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
松原 正和
所属名 / Affiliation
東北大学大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
本田杏奈,大島大輝,加藤剛志
利用形態 / Support Type
(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NU-206:電子線露光装置
NU-213:8元マグネトロンスパッタ装置
NU-215:ECR-SIMSエッチング装置
NU-204:原子間力顕微鏡
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
光の波長より十分に小さな構造を持つ人工物質(メタマテリアル)を用い、自然界に存在する物質では実現できない光学応答を生み出すことが可能となっている。現在、メタマテリアルを用いた光-物質機能の制御は非線形光学応答の領域にまで拡大してきており、このような「非線形メタマテリアル」の開発は新規光-物質機能の開拓に向け大きな可能性を秘めている。本研究では、非線形メタマテリアルを用いた新規なスピン光機能を開拓するために、名古屋大学マテリアル先端リサーチインフラの設備を利用して、空間反転対称性の破れを人工的に導入した非反転対称磁性メタマテリアルを作製し、その機能の検証を行った。
実験 / Experimental
マグネトロンスパッタ、電子線露光装置、エッチング装置などを用いて、空間反転対称性の破れを導入した磁性メタマテリアルを作製した。また、走査電子顕微鏡(SEM)や原子間力顕微鏡などを用い、試料の評価を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
垂直磁化を持つ強磁性金属として知られているCo/Pt多層膜に、一辺の長さが200ナノメートル~1.5マイクロメートルの大きさの正三角形の人工構造を周期的に導入した。作製した試料の典型的な走査電子顕微鏡像(Fig. 1)が示すように、非反転対称な3回回転対称構造を有する磁性メタマテリアルをほぼ設計通り作製することに成功した。これらの試料を用い、可視~近赤外光の照射により誘起されるゼロバイアスのスピン偏極光電流の特性を調べ、明瞭なサイズ依存性があることが分かった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1: SEM image of an artificial noncentrosymmetric magnet.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
共同研究者:加藤剛志 教授、大島大輝 助教、本田杏奈 特任助教(すべて名古屋大学)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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M. Hild, Terahertz spin ratchet effect in magnetic metamaterials, Physical Review B, 107, (2023).
DOI: 10.1103/PhysRevB.107.155419
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Satoru Inoue, Control of Polar/Antipolar Layered Organic Semiconductors by the Odd‐Even Effect of Alkyl Chain, Advanced Science, 11, (2024).
DOI: 10.1002/advs.202308270
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- H. Taketani, T. Kobayashi, T. Kato, M. Matsubara, "Spin- and polarity-switchable zero-bias photocurrents in a polar ferromagnetic metamaterial " The 7th Symposium for the Core Research Clusters for Materials Science and Spintronics and the 6th Symposium on International Joint Graduate Program in Materials Science and Spintronics, 令和5年11月28日
- 松原正和, "非空間反転対称磁性体の作製と新規スピン光機能の探索" 文部科学省マテリアル先端リサーチインフラ 令和5年度 秀でた利用成果発表会・表彰式, 令和5年12月4日
- 松原正和, 本田杏奈, 大島大輝, 加藤剛志, "非空間反転対称磁性体の作製と新規スピン光機能の探索" nano tech 2024, 令和6年1月31日~2月2日
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:1件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件