【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.23】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NU0269
利用課題名 / Title
赤外線イメージング分光器開発のための一次元多重スリットの製作
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学 / Nagoya Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,光リソグラフィ/ Photolithgraphy
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
平原 靖大
所属名 / Affiliation
名古屋大学環境学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
古賀亮一,趙彪,笹子宏史
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
本田杏奈
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NU-205:3元マグネトロンスパッタ装置
NU-260:マスクレス露光装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
平原研究室では太陽系天体表面の霜の環境を想定した低温凝縮微粒子の測定、次世代赤外望遠鏡に搭載予定のイマージョングレーティング材料の分光屈折率の評価などの目的で、中間赤外波長におけるイメージング分光器を開発している。そのスペクトルの空間情報を得る上で、一次元多重スリットの部品が必要不可欠である。赤外光を透過するGe基盤の上に光を遮光する材質を一定間隔で吸着させるというアイデアのもと、以下の仕様を目標に制作を行った。Ge基板形状:~1mm厚 以下、15mm x 15mm, 使用する透過波長帯:10~20μmスリット形状:開口部の幅:12~24μm, 閉口部(光が透過しない部分):12μmスリット形状全体の大きさ: (最大で)~10mm × 10mm, (最低で) 4mm x 4mm(正方形状もしくは円形開口)、スリットの本数は200本程度に相当する。
実験 / Experimental
3日間にわたって実験を行った。1日目:3元マグネトロンスパッタ装置を用いてGe基板上にAuを成膜。 2日目:dxfファイルを確認し、マスクレス露光装置でパターニングおよび現像。3日目:Auエッチャントでエッチング。
結果と考察 / Results and Discussion
1日目に3つのGe基盤にスパッタリングによりAuを蒸着させようと試みた。複雑なオペレーションに苦戦しながらも、問題なく蒸着させることができた。2日目に用意したdxfファイルをインポートして、マスクレス露光装置でパターニングした。基盤のベイキングを行った後、回転装置を用いてレジストを均一に塗布し、現像を行った。3日目に薬剤に基盤を浸し、金を溶かしてスリット開口部に相当する隙を作った後(写真1)、顕微鏡を用いて目的の形状に加工されているかを確かめた。1回目は90秒、2回目は40秒、3回目は60秒浸した。結果として、1回目は溶かしすぎたため開口部が広くなってしまい、2回目は場所によって溶かす量が不十分であった。3回目が一番目標としている形状に近いものができた(写真2)。スリットの場所によって金が溶けるスピードが違うのが加工上の課題として残った。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
写真1
写真2
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本研究はJSPS科研費 若手研究 JP 22K14084(古賀)の助成を受けたものです。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Ryoichi Koga, Mid-infrared imaging spectroscopic measurements of C2H4 frost simulating the outer solar system environments, Earth, Planets and Space, 76, (2024).
DOI: 10.1186/s40623-024-01976-y
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 「イマージョン・グレーティング材料の屈折率評価用の2DFT-IR分光器の開発」、趙彪,古賀亮一,平原靖大,笹子宏史,根岸昌平,李源,笠羽康正,中川貴雄,松原英雄,榎木谷海, 和田武彦、日本天文学会2024年春季年会(東京)口頭発表(一般)、2024年3月15日
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件