【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.04.19】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22MS1012
利用課題名 / Title
多元系酸フッ化物の磁性 IV
利用した実施機関 / Support Institute
自然科学研究機構 分子科学研究所 / IMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion
キーワード / Keywords
磁化測定, フッ化物イオン電池, 正極, 酸フッ化物,電極材料,資源使用量低減技術
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
高見 剛
所属名 / Affiliation
京都大学大学院人間・環境学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
アイレシデン アブリケム
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
宮島 瑞樹
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
電気自動車が市販化されリチウムイオン電池の用途は多様化するとともに、その市場は拡大を続けている。大型据置型電源や電動航空機などを大型化には、一層の高性能電池の出現が重要となる。Li過剰系正極は、充放電を担うリチウムを多く含み、高容量化が達成できると期待される。充放電に伴い正極中の遷移金属元素だけでなく酸素もレドックス反応に関与する特徴がある。充放電を繰り返すうちに電極から酸素が放出されて性能が劣化してしまう問題がある。従って、その機構を解明し、この欠点を克服する必要がある。そこで、磁気コンプトン測定と磁化測定により、劣化機構の解明を目指した。
実験 / Experimental
MPMS-7(Quantum Design社製)を用いて、試料の磁化を測定した。粉末試料を石英管に封止した大気非ばく露環境下で、2-300 K, 25 kOeにてゼロ磁場冷却(ZFC)で測定を実施した。なお、今回は、化学フッ化前の試料を対象とし、充放電過程でセルを解体して収集した。
結果と考察 / Results and Discussion
我々はこれまでLi過剰系であるLi2MnO3の磁性について、磁化測定や中性子磁気構造解析により解明してきた。今回、より高容量が可能なNiとMnを含むLixNi0.2Mn0.6O2 (x = 0.2, 0.5, 0.8, 1.2)を対象に磁化測定を行った。図1に充電過程におけるx = 1.2, 0.5, 0.2の試料の磁化率の温度依存性を示す。2 Kまで磁気転移は観測されなかった。幅広い温度領域で、キュリーワイス的な温度依存性を示した。充電(Liの脱離)とともに、Mnは4価の高スピン状態を保持し、Niは2価の高スピン状態から4価の低スピン状態へと変化した。放電後の知見と合わせることで、充放電曲線の履歴の機構解明を電子の内部自由度の観点(電荷・スピン・軌道)から目指す。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 LixNi0.2Mn0.6O2 (x = 0.2, 0.5, 0.8, 1.2)の磁化率の温度依存性。25 kOe下で、ZFC過程で測定した。
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
技術支援に関して、宮島瑞樹氏に大変お世話になり、ここに厚く御礼申し上げます。特に、測定に不慣れな学生さんに対して、測定のセットアップや液体ヘリウムのトランスファー時にお立合いいただきました。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Aierxiding Abulikemu, Partial cation disorder in Li2MnO3 obtained by high-pressure synthesis, Applied Physics Letters, 120, (2022).
DOI: 10.1063/5.0088023
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件