利用報告書 / User's Reports | ARIM Japan公式ホームページ

【公開日：2024.07.25】【最終更新日：2024.06.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NU0259

利用課題名 / Title

水熱合成した金属酸化物ナノ粒子の蛍光特性評価および歪み解析

利用した実施機関 / Support Institute

名古屋大学 / Nagoya Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用（ARIM事業参画者以外）/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）計測・分析/Advanced Characterization（副 / Sub）-

【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials（副 / Sub）-

キーワード / Keywords

蛍光,りん光,ナノ粒子/ Nanoparticles

利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)

髙見誠一

所属名 / Affiliation

名古屋大学大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

利用形態 / Support Type

（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）-

利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NU-233：蛍光りん光分光光度計

報告書データ / Report

概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

BaHfO₃はペロブスカイト構造を有する酸化物であり、化学的安定性、透明性という特徴を持つとともに、希土類元素などをドープすることで蛍光を有することが知られている。さらに、高原子番号元素より構成されるためX線やγ線との相互作用が大きく、シンチレータとしての利用も進んでいる。そのナノ粒子は液体シンチレータや表示デバイスとしての利用が期待されており、合成方法として前駆体の高温焼成法などが試みられていた。しかし、この合成法では焼成中に凝集が生じるため数十nm程度のサイズの粒子の合成が困難であった。そこで我々は、超臨界水熱合成法を用いてBaHfO₃ナノ粒子を焼成することなく合成するとともに、その蛍光特性を評価した。

実験 / Experimental

BaHfO₃ナノ粒子は以下の方法で合成を試みた。Hfイオン水溶液のpHを調整してHf(OH)₄とし、これをBaイオン水溶液と混合して前駆体水溶液とした。この前駆体水溶液を高圧反応器により300~450℃に加熱し、BaHfO₃ナノ粒子を合成した。これに対して希土類などをドープする際には、ドープする金属をイオンとして含む水溶液を前駆体水溶液に加えた。加熱後、生成したナノ粒子を遠心分離により精製し、X線回折、走査電子顕微鏡などで解析するとともに、蛍光特性を評価した。

結果と考察 / Results and Discussion

合成温度および原料pHを変えつつBaHfO₃ナノ粒子を合成した所、BaHfO₃は300℃程度以上の合成温度で生成することが明らかとなった。また、原料濃度を高くすると合成される粒子のサイズが小さくなり、数百nm程度のナノ粒子合成に成功した。また、Euなどの希土類元素を添加したナノ粒子の合成にも成功した。そこで、これらの粒子の蛍光を評価した所、Fig. 1に示すように600 nm付近に蛍光を示すスペクトルが観察された。これより、焼成を行うことなく蛍光を示すBaHfO₃ナノ粒子を合成できることを確認した。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations

Fig. 1 Eu:BaHfO₃ナノ粒子の蛍光スペクトル

その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究は、MEXT科研費23H01752, 23K17844の助成を受けたものです。

成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)

口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.

特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件