【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.19】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23HK0151
利用課題名 / Title
EBSD観察による結晶粒成長と強度発現機構に関する研究
利用した実施機関 / Support Institute
北海道大学 / Hokkaido Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions
キーワード / Keywords
電子顕微鏡/ Electronic microscope,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control,資源使用量低減技術/ Technologies for reducing resource usage,電子回折/ Electron diffraction,易循環型材料設計技術/ Recycling-friendly material design technology,資源循環技術/ Resource circulation technology,電子顕微鏡/ Electronic microscope,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control,電子回折/ Electron diffraction,資源循環技術/ Resource circulation technology
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
杉本 剛
所属名 / Affiliation
旭川工業高等専門学校 機械システム工学科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
原田真吾,遠堂敬史
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
鉄鋼焼入組織の旧オーステナイト粒径は日常的にはAGS腐食液等を用いて観察されるが,これはオーステナイト状態下で粒界析出するCrが優先腐食され凹みを観察しているので,真の結晶粒界を観察しているわけではない. 昨年度まででAGS腐食観察による結晶粒度,EBSD観察による実際の結晶配向は必ずしも一致しないことが明確になっていたが,一致しない場合,どのような粒が鋼材の破壊挙動に影響しているのかを確認する事が本研究の目的である.
実験 / Experimental
ボロン添加肌焼鋼を用い冷間鍛造で製作された鋼材を1050℃下で所定の浸炭深さで浸炭処理焼入れし, シャルピー衝撃試験片を作成した.試験片は一条件について6個作成し1個を組織観察,5個をシャルピー衝撃強度測定に用いた.シャルピー衝撃試験はJIS Z2242に定めるUノッチ試験片を用い, 組織観察では観察部位中にビッカース硬さ計圧子にて300g15秒の圧下を二点行いマーキングを行った.マーキング部位について50nmコロイド懸濁液にて研磨仕上げし電界効果型電子顕微鏡 日本電子JSM-6500F及び同装置に付加されたEBSD装置にて結晶配向を観察した.続いて同部位について,AGS腐食液にて腐食,結晶粒の配列を観察し,EBSD装置で観察し結晶配向とAGS腐食液による配向が一致するかを確認した.
結果と考察 / Results and Discussion
今回取得したEBSD及びAGS腐食液による腐蝕の結果比較をFigure1に示す.また,試験片作成条件を多数変化させて得た衝撃強度と結晶粒度の相関をFigur2にしめす.本結果より,結晶粒が粗大化し,シャルピー衝撃強度が下がっている鋼材において,必ずしも粗大粒の中には単一のパケットのみがあるわけではなく,複数のパケットにより構築されてることがわかった.今後は粒内での破壊が起きている挙動を調査していく予定である.
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Figure1 Grain observation results by AGS corrosion (right) and EBSD (left)
Figure2. Correlation between Grain number and Charpy impact strength.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本研究は日産自動車成形技術部 藤川様,山本様,迫様,郭様との共同研究にて行われました.
参考文献:畑顕吾, 脇田昌幸, 藤原知哉, 河野佳織, 鋼のオーステナイト組織の再構築法の高精度化に向けた検討, 新日鉄住金技報 404, 24-30, 2016
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件