利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.27】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NM0136

利用課題名 / Title

フッ化物リリース機能を担保した歯科材料の歯質アパタイトへの影響:19F 固体NM測定

利用した実施機関 / Support Institute

物質・材料研究機構 / NIMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

フッ化物、歯、フルオロアパタイト


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

Hiraishi Noriko

所属名 / Affiliation

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

大木忍,出口健三

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NM-103:800MHzナローボア固体高分解能NMRシステム


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

フッ化物はむし歯の予防と管理に重要であり、歯質の強化や歯の脱灰抑制に関与していると考えられている。フッ素のミネラルに対する作用は、ハイドロキシアパタイトのOH- とF-とのイオン交換の結果できるフルオロアパタイトの生成が望ましいが、実際はアパタイト格子または表面に緩く結合したリン酸含有CaF2を主とするミネラルとも考えられる。本課題では、フッ化物の作用と反応物を調べるために、19F固体(SS) (MAS)NMR法を用いた試みであり、フルオロアパタイトと、フッ化物作用の副生成物の一つと考えられる CaF2 の同定を行った。

実験 / Experimental

ウシ歯エナメル質、象牙質に、各種フッ化物配合歯科材料を作用させた。37度で反応ささせ、その度水洗3回、乾燥後 NMR試料とした。
主な測定条件: 
MAS回転数:60KHz
化学シフト値:CaF2を -108ppm(from CFCl3 0ppm)に設定
測定モード:スピンエコー法
パルス繰り返し時間:120 sec
観測幅:1MHz

結果と考察 / Results and Discussion

歯の表層のエナメル質は、深層の象牙質より反応が低かった。酸性フッ化物はフルオロアパタイトよりCaF2が生成されやすい。中性ではフルオロアパタイトが生成されやすかった。一般に口腔内で使用させる、フッ化物はエナメル質が対象になるが、実際は反応性が乏しく、高濃度のフッ化物を塗布した場合、短時間では耐酸性のフルオロアパタイトの生成に至らないとの懸念が示唆された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


フッ化物はむし歯の予防と管理に重要であり、歯質の強化や歯の脱灰抑制に関与していると考えられている。フッ素のミネラルに対する作用は、ハイドロキシアパタイトのOH- とF-とのイオン交換の結果できるフルオロアパタイトの生成が望ましいが、実際はアパタイト格子または表面に緩く結合したリン酸含有CaF2を主とするミネラルとも考えられる。本課題では、フッ化物の作用と反応物を調べるために、19F固体(SS) (MAS)NMR法を用いた試みであり、フルオロアパタイトと、フッ化物作用の副生成物の一つと考えられる CaF2 の同定を行った。



試料



結果•歯の表層のエナメル質は、深層の象牙質より反応が低かった。 •酸性フッ化物はフルオロアパタイトよりCaF2が生成されやすい。中性ではフルオロアパタイトが生成されやすかった。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る