利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.17】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NM0106

利用課題名 / Title

金属有機構造体の電子線耐性に対するイオン液体導入効果

利用した実施機関 / Support Institute

物質・材料研究機構 / NIMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials

キーワード / Keywords

複合材料


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

小関 海斗

所属名 / Affiliation

東京理科大学 先進工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

鄭 雨萌

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

長井 拓郎

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NM-401:300kV収差補正電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

金属有機構造体(MOF)は金属イオンと有機配位子の配位結合によって構成される多孔質材料であり、分子フィルタリングや吸蔵などの優れた特徴故に次世代材料として期待されている。しかし、MOFは電子線に弱い材料であるため、TEMによる観察には高性能な装置と高度な技術を必要とし、報告例は少ない。我々はイオン液体をMOFの細孔に導入し、試料の導電性を高めることで、電子線によるダメージが抑えられることを発見した。その結果、特別な技術を用いることなく、代表的なMOFであるCu3(btc)2のTEM観察が可能となり、格子縞を観測することが出来た。本研究では、同試料に対して高分解能TEMを適用して詳細なTEM観察を行った。

実験 / Experimental

イオン液体として[C2mim]+[Tf2N]-を充填させたCu3(btc)2を用意し、乳鉢で粉末状にすりつぶし後、エタノールに溶解させた。TEMグリッドでエタノール中のMOF粉末を救いあげて付着させることで、TEM観察用試料を作成した。同試料を60 kVの加速電圧でTEM観察した。

結果と考察 / Results and Discussion

[C2mim]+[Tf2N]-を充填させたMOFのTEM観察像をFig. 1に示す。これまで、イオン液体の充填によりMOFの吸湿劣化が抑制されることが明らかになっていたことから、格子縞の観測が期待されたが、今回は確認することが出来なかった。この原因として、(i) [C2mim]+[Tf2N]-の充填から40時間ほどの長時間が経過していたため、粉末がすでに劣化していたこと、(ii) エタノールにより充填した[C2mim]+[Tf2N]-が溶出し、耐湿効果が下がったこと、の可能性が考えられる。(i), (ii)の対策を施した後、改めてTEM観察に臨む予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


[C2mim]+[Tf2N]-を充填したCu3(btc)2のTEM観察像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

NIMSの長井拓郎様の実験サポートに感謝します。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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