【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.22】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NM0058
利用課題名 / Title
ポルフィリン化合物の超分子組織化
利用した実施機関 / Support Institute
物質・材料研究機構 / NIMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
ポルフィリン,質量分析/ Mass spectrometry
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
大月 穣
所属名 / Affiliation
日本大学 理工学部
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
佐藤賢
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
服部晋也
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
ポルフィリンは,その特徴的な分光学的および酸化還元特性などから注目を集めている化合物群であり,さらに集合体を作ると孤立した分子にはない新しい特性や機能が現れる.その中でポルフィリン面が平行に向かいあった集合体は,触媒やホスト化合物としての応用が考えられ注目されている.私たちは,ポルフィリンに配位部位であるビピリジンを導入した化合物を合成し,金属イオンへの配位を利用して,ポルフィリン面が平行に向かいあった二量体の構築を試みた.生成すると期待されるポルフィリン二量体は金属イオンの電荷をもつために,ESI-MSでの検出を試みた.
実験 / Experimental
質量分析には,サーモフィッシャーサイエンティフィック製Q-Exactive Plus質量分析装置を用いた.試料は0.2 mMポルフィリンと0.6 mM Zn(OTf)のCH3CN/CHCl3 = 8/2混合溶媒中の溶液を直接注入した.キャピラリー温度は160 °Cおよび320 °Cの2通りで行なった.
結果と考察 / Results and Discussion
想定される二量体の組成は 2 (Porphyrin) • 4 Zn • 8 (OTf)であり,質量はm = 4,043である.ここからアニオンOTfが抜けていくにつれて,[2 (Porphyrin) • 4 Zn • (8-n) (OTf)]n+のカチオンが生じる.測定の結果,n = 2からn = 8までのカチオンが全て検出され,同位体分布も計算値と一致した.従って,想定の二量体が形成していると判断した.キャピラリー温度が160 °Cでも320 °Cでもこれらのピークは主ピークとして観測され,熱安定性も高い二量体が形成していることがわかった.
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
測定にあたって指導いただいたARIM-NIMSの服部晋也氏に感謝します.
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- Joe Otsuki, "Coordination directed porphyrin assemblies - cyclic tetramers, trimers, and dimers", 19th International Conference of Computational Methods in Sciences and Engineering, Galaxy Hotel, Heraklion, Crete, Greece (ICCMSE 2023), 11-16 September 2023.
- Joe Otsuki, "Supramolecular organization with emphasis on energy and electron transfer therein", The 163th Birthday Commemoration of Acharya Prafulla Chandra Ray & Birth Centenary Celebration of Prof. K. K. Rohatgi-Mukherjee, Virtual Seminar, Dept. of Chemistry, Jadavpur University & Indian Photobiology Society, 2 August 2023.
- 宮﨑茂樹,佐藤賢,大月穣,須川晃資,"配位結合によるポルフィリン二量体の形成と超分子ホスト機能",錯体化学会第73回討論会,水戸市民会館・水戸芸術館・みと文化交流プラザ,2023年9月21-23日.
- 佐藤賢・宮﨑茂樹・大月穣・須川晃資,"ビピリジンを持つ金属ポルフィリンの錯形成挙動",錯体化学会第73回討論会,水戸市民会館・水戸芸術館・みと文化交流プラザ,2023年9月21-23日
- 佐藤賢, 宮崎茂樹, 大月穣, 須川晃資,"ビピリジンを持つ亜鉛ポルフィリンの錯形成挙動",第20回 ホスト-ゲスト・超分子化学シンポジウム,東京都立大学南大沢キャンパス,2023年6月17–18日.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件