利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.14】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NM0025

利用課題名 / Title

プラズモニック材料を用いた光電子デバイスの開発

利用した実施機関 / Support Institute

物質・材料研究機構 / NIMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials

キーワード / Keywords

ALD,環境発電/ Energy Harvesting,原子層薄膜/ Atomic layer thin film,ナノカーボン/ Nano carbon


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

内野 俊

所属名 / Affiliation

東北工業大学工学部電気電子工学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

渡辺英一郎

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NM-611:原子層堆積装置 [AD-230LP]


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

本研究の目的は、Agやグラフェンを含むプラズモニック材料で作製したメタサーフェスと電子デバイスを集積化することにより新しい光電子デバイスを開発することである。我々は、先にNIMS微細加⼯プラットフォームを利⽤してマイカ基板上に高温で銀単結晶薄膜を成長することに成功し、この銀単結晶薄膜を用いてメタサーフェスを作製すると光学特性が向上することを見出した。今年度は、グラフェンやMoS2などの二次元材料を用いて電子デバイスを作製し、メタサーフェスと集積化することにより太陽光発電が期待できる光レクテナを作製する。

実験 / Experimental

非対称なI-V特性をもつダイオードを実現することを目的として、多機能型原子層堆積(ALD)装置を用いて、異なるバンドギャップをもつAl2O3とSiO2の二つの絶縁膜を積層することにより、二次元材料を電極とするMIMダイオードを形成した。今回はプロセス条件を最適化するため、Si基板上にALDでAl2O3とSiO2の積層膜でトンネル絶縁膜を形成し、シャドーマスクを用いてその上にAl電極を形成したMISMダイオードを作製し、その電気特性を評価した。

結果と考察 / Results and Discussion

図1に作製したデバイスのI-V特性を示す。作製したデバイスは、Vg=0Vを境にして非対称なI-V特性を持つダイオード特性を示した。また、SiO2の膜厚が薄いデバイスの方が電流が大きくなったが、非対称性は小さくなった。以上から、光レクテナ作製に必要なトンネル絶縁膜が得られることがわかった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 作製したMISMダイオードのI-V特性


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

謝辞 ALDの技術指導をしていただいた吉田美沙様に感謝致します。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 衡彦君, 相澤佳乃, 濱田佑希乃, 熊谷龍馬, 葛西重信, 吹留博一, 佐藤昭, 尾辻泰一, 内野俊, “表面増強ラマン分光法を用いたバイオケミカルセンサの改善”, 第84回応用物理学秋季学術講演会, 熊本城ホール, 2023年9月21日.
  2. Y. Heng, R. Kumagai, S. Kasai, H. Fukidome, A. Satou, T. Otsuji, and T. Uchino, “Development of Graphene-Based SERS Substrates for Enzyme-Linked Immunosorbent Assay (ELISA)”, ChinaNANO 2023, 4P-005, Beijing, Aug 26-27th, 2023.
  3. T. Uchino, Y. Heng, R. Kumagai, S. Kasai, H. Fukidome, A. Satou, and T. Otsuji, “Graphene-based surface-enhanced Raman spectroscopy (SERS) for enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA)”, SPIE Photonics WEST 2024, 12860-7, San Francisco (USA), Jan 28th, 2024.
  4. 衡彦君, 相澤佳乃, 濱田佑希乃, 吹留博一, 唐超, 佐藤昭, 尾辻泰一, 内野俊, “グラフェン表面増強ラマン散乱(G-SERS)基板の高性能化”, 71回応用物理学春季学術講演会, 東京都市大学, 2024年3月22日.
  5. 関 宏信、内ケ崎 新之介、田村 紘、 唐 超、佐藤 昭、吹留 博一、末光 哲也、内野 俊、瀧田 佑馬、南出 泰亜、尾辻 泰一, “三次元整流効果を導入したグラフェンレクテナFETによる高感度THz波検出の提案”, 信学技報, vol. 123, no. 312, ED2023-64, pp. 52-57, 2023年12月.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:1件

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